1 mm 1 mm (a)レーザ出力180 W (b)レーザ出力200 W 図図18 各レーザ出力における金属箔のベースプレート 3.3 金属板の作製と圧縮試験及び断面観察 照射領域は図図17のように照射領域は15 mm × 20 mmの矩形,内部には0.1 mmピッチのハッチングを施して枠内もベースプレートと溶着させ,その後強い出力で外周に沿って照射を行い,照射領域外のシートを切断して取り除いた.条件B2のとき,照射部全域にわたってシートが付着したので,条件B2を積層造形時の条件として決定した. 3.4 まとめ 本研究により,金属シートを用いて金属板を造形できることが示された.その加工特性として断面に空隙が多くみられるものの,圧縮を施すことによって空隙を減少させることができる.今後の課題として,より厚みのある造形物を作製できるようにすることが挙げられる. 4.結言 微細結晶粒を有する板材の製造を目指し,積層造形と圧延を組合わせた加工プロセスを検討した.その結果,積層造形した板材に圧延加工を施すことで,従来よりも高強度,かつ延性を高められる可能性を示すことができた.また,自作した積層造形と圧延を連続で実施できる装置を用いて,その効果を検証した結果,金属箔を用いた積層造形でも,塑性変形を加えることで,生じた空隙の減少が期待でき,効果的であると考えられる.本研究期間では,積層と圧延の連続加工までには到達できなかったので,その点が今後の課題となる. mm51 (b)圧縮後 (a)圧縮前 圧縮前 圧縮後 1)大胡田稔:素形材,55-7(2014),54-59. 2)山本ほか:第68回塑加連講論(2017),93-94. 3)梶野ほか:平27塑加春講論(2015),155-156. 4)梶野ほか:第68回塑加連講論(2017),127-128. 5)Du et al : Mater. Sci. Tech. , 27-12, (2011), 1814 - 1818. 6)Somekawa et al : Meta. Mater. Tran. , 46A, (2015), 894 - 参考文献 内部は0.1mmピッチのハッチング高出力照射で周囲を切断この先,全ての照射において周波数は1000 Hz,パルス幅は0.0002 sである.まず,走査速度を50 mm/sに固定してパワーを150 Wから275 Wまで25 Wずつ変化させて照射したところ,200 Wのときと225 Wのときにシートがベースプレートに付着したので,これらを最適な照射パワーとした.次は表表7のとおり照射条件を変化させる. 表表7 レーザ照射条件(金属箔用) 条件 B1 B2 B3 B4 図図17 積層造形時のレーザ照射手順 実験に使用したシートは,表面が白色に変色している部分があった.この部分は変色していない銀色の表面に比べて光の反射が少なく,効率よくエネルギーを吸収できると予測できるので,条件B2から10 Wずつパワーを落としながら照射をしたところ,図図18に示すように180 Wのときにシートが切断されず,全域がベースプレートに付着した.したがって,酸化したシートを積層するときの条件をパワーは180 W,速度は60 mm/sと決定した.以降では酸化していないシートと酸化したシートの2種類を用いて繰り返し積層を行う. への溶着試験 前項の実験で決定した条件をもとに,変色していないシートと変色したシートでそれぞれ繰り返し積層を行ったところ,変色したシートを用いた場合のほうが安定して積層を続けられたため,変色したシートを用いて40層の積層をして金属板を作製した.この金属板をファインカッタで切断し,樹脂詰め,研磨の後に実体顕微鏡(Leica製),光学顕微鏡(Nikon製),電子顕微鏡(Carl Zeiss製)を用いて観察する.また,造形物に対して万能試験機(Shimadzu製)を用いて,発生させられる最大荷重に相当する13.3 20mmパワー W 速度 mm/s 60 60 50 40 225 200 200 200 MPaの圧力をかけて圧縮し,同様に断面を観察する.図図19に作製した40層の積層造形物を示す.また,圧縮前後の断面を図図20に示す.断面には空隙が多くみられた.これはパルスレーザの特性として連続的にレーザを照射できないことから,シートが溶融していない部分があるためであると考えられる.また,空隙の面積を比較するために,圧縮前後の断面画像を2値化処理した.ベースプレートやシートの部分は白色,空隙の部分は黒色となり,黒色の画素数を計測することで空隙の面積を得られる.結果を表表8に示す.圧縮後の空隙は圧縮前と比べて少ないといえる.積層造形後に圧縮を施すことで,内部の空隙が少ない金属板を作製できた. 902 図図19 40層まで積層した造形物 図図20 圧縮前後の積層造形物の断面観察 表表8 圧縮前後の空隙の面積変化 面積 ×103 px 155 45 全体に対する割合 % 2.7 0.94 − 175 −
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