(3)敷設厚さの違いによる造形状態への影響 走査速度50 mm/s,レーザ出力を200 ~ 400 Wで変化させ,周波数1000 HzにおけるDuty比と穴の深さの関係を図図6に示す.グラフより3条件ともDuty比40 %が最大値を示している.Duty比が高ければ,穴は深くなる傾向を示し,溶融量が多いと考えられる.以上の結果より走査速度は50 mm/s,Duty比は40 %程度が最適だと判断した. (2)アルミニウム粉末の状態が積層に及ぼす影響 (c)10 mm/s (b)50 mm/s 周波数 Hz 3000 3000 3500 3500 パルス幅mm 1.0×10-4 1.0×10-4 1.1×10-4 1.1×10-4 名称 T1 T2 H1 H2 完成した板材サンプルを内部組織観察用,硬さ試験用,圧縮試験用にファインカッタで3分割する.万能試験機を用いて,圧縮試験用の板材サンプルを板厚の70%まで圧縮する.ただし,実験の安全性を考慮して,板材サンプルに荷かる荷重が10000Nを超えた場合は,厚さが70%まで減少していなくても試験終了とする.圧縮した板材サンプルをファインカッタで縦に半分切断し,全ての板材サンプルを樹脂詰し研磨する.その後,水酸化ナトリウム水溶液を用いてエッチングし,内部組織観察,スの面積測定,ビッカース硬さを測定し,塑性変形による内部組織などの変化を検討する. ピッチ幅 mm 回転角 ° 用に2つに切断し,樹脂詰して研磨した後,水酸化ナトリウムでエッチングして内部組織の観察,ビッカース硬さを測定する. (4)板材の積層 供試材であるAl10SiMg粉末を真空定温乾燥器(YAMATO製)により乾燥させた後,上述のベースプレートの上に170 mの厚さでスキージングした.造形形条件はレーザ出力300 W,走査速度50 mm/s,周波数3500 Hz,パルス幅1.1×10-4 s,Duty比38.5 %で照射範囲は28 mm×18 mmとしレーザを照射するごとに90 °回転させ,高さ10 mmまで積層した.積層造形後,試料を埋め込み装置により樹脂詰めし,自動研磨により鏡面仕上げを施した後,対物顕微鏡(LEICA製)により断面観察を行った. (5)塑性変形が積層造形した板材に与える影響 乾燥させたアルミニウム粉末を約0.2 mm程度の厚さで積層造形を繰り返し,厚さ10 mmの板を造形した.レーザ照射条件は表表6に示すように4種とし,T1,T2,H1,H2と呼称する.各条件において速度は50 mm/s,パワーは300 Wと固定した. 表表6 レーザ照射条件(金属粉末用) 2.3 実験結果と考察 (1)ファイバーレーザによる溶融の状態 ステンレス板にファイバーレーザを照射し,形状及び穴の深さを観察した.図図5にレーザ照射跡の写真を示す.走査速度50 mm/sと10 mm/sの時,連続的にステンレス板を溶融しているのがわかる.周波数1000 Hz以上の場合も走査速度50 mm/sで連続的に金属粉を溶融できる. 図図5 ステンレス板のファイバーレーザ照射跡 図図7,図図8に未乾燥・乾燥の粉末による造形物の内部組織を示す.図7より,未乾燥状態では大きなス(矢印参照)が多数確認されたが,図8より,乾燥状態ではスの拡大を抑制することに成功した. 250 m 150 m 100 m (a)200 mm/s 0.1 0.3 0.1 0.1 30 30 38.5 38.5 Duty比 % 45 15 90 45 図図7 未乾燥状態 次に図図9,図図10,図図11に積層厚さを変えた時の結果を示す.図9より,厚さが約0.5 mmの時は積層表面には無数の凹凸が目立つ結果となったが,図10より,厚さを約0.2 mmで積層した時は凹凸が抑えられ,積層表面を滑らかにする事ができた.また,積層造形物内部に生じるスも比較的抑えることができた. (4)板材の積層 図図12に作製した造形物及び造形物の断面を示す.造形物の形状は山型となり表面は凸凹していた.山型になった図図6 Duty比と穴の深さの関係 100 m 図図8 乾燥状態 図図9 敷設厚さ0.5 mm 図図10 敷設厚さ0.2 mm 図図11 敷設厚さ0.1 mm 100 m 100 m 100 m 100 m − 173 −
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