図10 投射粒子量とエロージョン深さの関係 3・3 耐剥離性試験(微粒子エロ―ジョン試験(投射粒子:BA50)) 投射粒子量ごとのエロージョン痕のマイクロスコープ画像を図11に示す.熱劣化試験前の試験片は,投射痕中央でエロージョンが進行し,投射量5 gになると一部剥離したと考えられる黒色の点がいくつかみられた.この黒色の点について,レーザー顕微鏡で深さ測定したところ,1層目と2層目との界面付近までエロージョンが進行していることがわかった.一方,熱劣化試験後の試験片のエロージョン痕は,投射量1 g後に表層が剥離して,新たな面が露出した.このエロージョン痕(2 g投射時)をレーザー顕微鏡で深さ計測すると,剥離している面は,1層目と2層目との界面付近であることがわかった. 以上のことから,熱劣化試験前後ともに,剥離している界面は,1層目と2層目との界面付近であることがわかった.また,熱劣化試験後の試験片の方が,熱劣化試験前の試験片よりも少ない投射粒子量で1層目が剥離したことから,熱劣化試験によって,1層目と2層目との界面の密着性の低下,また,1層目自身の強さが低下したことが考えられる. 図11 エロージョン痕のマイクロスコープ画像 3・2 膜質評価試験(MSE試験(投射粒子:BA3)) 面形状曲線は,触針式二次元粗さ計を用いて計測した.なお,図9,10には,レーザー顕微鏡でカロテスト痕を計測し算出した,1層目と2層目の境界部分の深さを合わせて示す. 熱劣化試験前の試験片は,投射粒子量の増加に伴い,徐々にエロージョンが進行した.一方,熱劣化試験後の試験片は,投射粒子量0.5 gで1層目がなくなり,2層目部分でエロージョンの進行が抑制された.熱劣化試験前の試験片は10 g 投射後に2層目に到達したが,熱劣化試験後の試験片は0.5 g 投射後に2層目に到達した. このことから,熱劣化試験によって,1層目の膜自身が弱くなったか,1層目と2層目との界面の密着性が低下したことが考えられる.なお,今回の熱劣化試験条件では,熱劣化が著しかったため,熱劣化試験後の1層目内でのエロージョン進行を詳細にみることはできなかった. (a) 熱劣化試験前の試験片 (b) 熱劣化試験後の試験片 図9 投射粒子量ごとのエロージョン痕の断面曲線 投射粒子量ごとのエロージョン痕の断面曲線を図9に,投射粒子量とエロージョン深さの関係を図10に示す.断Interface between first layer and second layer Interface between first layer and second layer Mass of particles1 mmUnheated0 g1 g2 g5 gHeated− 155 −
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