キーワード:押出加工,サーボプレス,圧延加工, 超高純度マグネシウム 1.研究の目的と背景 図1 真空蒸留装置の概略 近年,マグネシウム合金は軽量,比強度,リサイクル性等の優れた特性により,携帯用電子機器をはじめ,自動車用途への展開も始まり,構造用材料の需要は増加傾向であり,純マグネシウムおよび高純度マグネシウムは医療材料,音響材料等への適用の検討が行われている1)-3). 研究室では,25年以上,各元素間の蒸気圧差を利用した真空蒸留法により純度99.999%以上のマグネシウムの超高純度化の検討を行ってきた4),5). 押出加工法は,通常,溶解・鋳造法で作製された円柱状ビレットを原料に行われるが,マグネシウムの押出加工においては,切削切粉のリサイクル等で溶解鋳造していない原料をビレットによる押出加工の検討が盛んに行われており,本研究室でも真空蒸留法で得られた多孔質な高純度マグネシウム凝縮物のまま押出加工を行い,清浄な押出材を作製し,特性の検討を行っている6),7). マグネシウムは結晶構造が最密六方晶であり,塑性加工を行うと集合組織が形成され,引張特性の異方性が予想される.本研究室では,天田財団平成25年度研究開発助成「マグネシウム合金の気相-固相法による高純度広幅リサイクル材の作製」において,真空蒸留法で得られた多孔質なマグネシウム凝縮物のまま押出加工を行い, 得られた押出材を90°方向に圧延加工を行い,幅80mmの高純度マグネシウム板材を作製し,特性を調査し,引張特性の異方性等を確認した9). また, サ-ボプレスによる押出加工の研究例はなく,さらに押出加工後の圧延加工および超高純度マグネシウム幅広板材の作製の検討は行われていない.そこで本研究では, サーボプレスを用いた押出加工・圧延加工による超高純度マグネシウム板材の作製について検討した. 2.実験方法 本実験では,真空蒸留法により押出加工用の超高純度マグネシウムビレットを作製し,得られたビレットを押出加工・圧延加工を行い,板材を作製した. 図1に真空蒸留措置の概略を示す真空蒸留は原料AM60マグネシウム合金(Mg-5.6%Al-0.24%Mn)300gを用い,SUS410ステンレス鋼製るつぼに挿入し,コンデンサ(回富山高等専門学校 機械システム工学科 (平成29年度 一般研究開発助成 AF-2017013) 教授 井上 誠 収部)およびフタをるつぼ上にのせ,密閉後,油回転真空ポンプで1Pa未満まで真空排気し,原料温度600℃,回収温度380℃に昇温し,8h温度保持した. コンデンサはφ45mm, 深さ40mmの穴が4個ある構造で,本実験条件では,1回の真空蒸留試験でφ45mm, 高さ20mm程のマグネシウム凝縮物が4個回収できた.押出加工には3個1セットを押出ビレットとした. 図2に押出加工機の外観を示す.最大荷重800kNのサーボ駆動プレスの縦型の押出加工機を使用した.図3に押出加工機の押出部の概略を示す.真空蒸留で得られたφ45mmの押出ビレットをコンテナ内に入れ,ビレット上にダミーブロックを置き,375℃まで加熱後,1h保持し,パンチを通じて上部から荷重をかけ,ビレット下部のダイスを通じて押出材を作製した.モーションは振り子モーションを用いた.ダイスは幅30mmで,厚さ4mm(押出比R13),厚さ5mm(押出比R11)および厚さ6mm(押出比R9)の3種類を用いた. − 140 −サーボプレスを用いた押出加工・圧延加工による 超高純度マグネシウム板材の作製
元のページ ../index.html#142