助成研究成果報告書Vol33
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Tensile strengthYoung's modulus0.37400.7211図9引張強さと平均角速度硬さの関係. 図10 n値と平均角速度硬さの関係. 表3 引張特性と平均角速度硬さの間の決定係数. 形近似した場合の関係式および決定係数も記載する.引張特性と平均角速度硬さの間の決定係数について表3にまとめる.材料の強さを表す0.2%耐力および引張強さと平均角速度硬さの決定係数は0.7を超えており,両者は強い相関を示している.一方で,剛性を示すヤング率や加工硬化指数であるn値と平均角速度硬さの間の決定係数は低い.特に,n値と平均角速度硬さの間の決定係数は0.0002と極めて低い.この数値はn値と平均角速度硬さの間には相関関係が全くないことを意味している. 一方,既存の研究ではn値と平均角速度硬さの間には相関関係が確認されている3).本研究において平均角速度硬さとn値の間に相関関係がみられなかった原因は,ハーバート硬さ試験機の揺動減衰におよぼすn値の影響が,0.2%耐力や引張強さといった材料強度の影響と比較して小さいためと考えられる.ハーバート硬さ試験機の揺動特性におよぼす材料強度とn値の影響を分離することができれば平均角速度硬さを用いてn値を推定することが可能と考えられる. ここで,平均角速度硬さにおよぼす材料強度とn値の影響を分離するために,図9に示す引張強さと平均角速度硬さの関係に注目する.図9では実験結果を直線一本で近似した.しかしながら,機械構造用炭素鋼とモリブデン鋼0.2%proof stress0.7357n-value0.0002− 138 −図11 機械構造用炭素鋼とモリブデン鋼で分けて考えた場合の引張強さと平均角速度硬さの関係. 図12 ωEとn値の関係. 図13 ωEとn値の関係. で別の直線上に乗っているようにも見える.そこで,機械構造用炭素鋼とモリブデン鋼の引張強さと平均角速度硬さの関係を分けて近似直線を引いた結果を図11に示す.機械構造用炭素鋼およびモリブデン鋼と平均角速度硬さの間の決定係数は0.9を超えている.機械構造用炭素鋼とモリブデン鋼は表1のようにn値において大きな差がある.ここで,図9における引張応力σBと近似式における平均角速度硬さωthの関係は次式で表される. σB=18706ωth -1004 (1) 平均角速度硬さの実験値をωとすればωthとの差ωEは, ωE=ω-ωth (2) n値に対して平均角速度硬さの実験値と近似値の差ωEを

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