助成研究成果報告書Vol33
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図6 ハーバート硬さ試験機の自由減衰曲線(S25CとSCM440). 図7 ヤング率と平均角速度硬さ関係. 図8 0.2%耐力と平均角速度硬さの関係. られた自由減衰曲線から平均角速度硬さを求め表2にまとめる. 3・3 引張試験結果と平均角速度硬さの比較 ヤング率,0.2%耐力,引張強さ,およびn値を平均角速度硬さの関数として図7~図10に示す.図中には引張試験によって得られた特性値と平均角速度硬さの関係を線を異なる5点で行い,平均値を硬さの代表値として用いる. 3.実験結果 3・1 引張試験 引張試験の結果として,7種類の材料の代表的な引張応力-ひずみ線図を図5に示す.7種類の材料に対する引張試験応力-ひずみ線図が得られる. 引張応力-ひずみ線図よりヤング率,引張強さ,0.2%耐力およびn値を求め,表1にまとめる.引張強さおよび0.2%耐力はそれぞれ,442~975 MPa, 250~635 MPaである.引張強さおよび0.2%耐力は構造に敏感な性質のため,化学組成の差異により値が広範囲に分布している.一方,構造に不敏感な性質であるヤング率は98~154 GPaと分布の範囲は引張強さおよび0.2%耐力よりも分布の範囲が狭い.n値に関しては機械構造用炭素鋼(S25C,S35C,S45CおよびS55C)がクロムモリブデン鋼(SCM415,SCM435およびSCM440)と比べて大きい. 3・2 ハーバート硬さ試験 実験的に得られたハーバート硬さ試験機の典型的な自由減衰曲線として,0.2%耐力および引張強さのもっとも低いS25Cおよびもっとも高いSCM440上でハーバート硬さ試験機を揺動させた際のハーバート硬さ試験機の自由減衰曲線を図6に示す.ハーバート硬さ試験機の揺動による試験片表面の変形は0.2%耐力および引張強さの小さいS25Cの方が,SCM440と比べて大きいと考えられる.揺動中のハーバート硬さ試験機が有する力学的エネルギは,圧子と接触している試験片表面の変形により減少するため,変形が大きくなる柔らかい材料ほど早く減衰する.つまり,S25Cの自由減衰曲線はSCM440に比べて早く減衰する.これらのハーバート硬さ試験機の自由減衰曲線は明確な差異が確認できる.すべての試験片について,得図5 引張応力-ひずみ線図. 図5 引張応力-ひずみ線図. 表1 引張試験結果. 表1 引張試験結果. S25C0.0461S35C0.0499S45C0.0537S55C0.0576SCM415SCM435SCM4400.04810.0557表2各試験片の平均角速度硬さ. 0.0529− 137 −

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