3.実験結果 (5mm×5mm) ビッカース硬さ,結晶粒径,結晶配向性の評価を試みた. 表1 マグネシウム合金AZ31の主な化学成分 3・1 加工条件が表面粗さに及ぼす影響 表2に示すようにバニシング力,送り速度,パス間隔,及び加工前の表面粗さを変化させ実験を行った.加工前と加工後の試験片表面を図4に示す.バニシング工具の送り方向は上下方向である. 表2 加工条件 (a)加工前 (b)加工後 図4 バニシング加工前後の試験片表面 加工した試験片の送り方向と垂直する方向の表面粗さを共焦点非接触粗さ測定機(NanoFocus社のμSurf-Sシステム)を用いて計測した.図5は加工前の試験片とF=100 N, S=100 mm/min, I=0.05 mmで加工された試験片の表面粗さプロファイルを示す.試験片の表面粗さは加工前のRa=1.95 µmからRa=0.26 µmに低減されたことが確認した.また,バニシング力と送り速度を固定し,パス間隔を変化して加工実験を行い,表面粗さの測定結果は図6に示す.この結果より,パス間隔が表面粗さRaへの影響は支配的であることが分かった. 図5 試験片の断面プロファイル 理論的にはバニシング加工した後の表面形状が単なるボールの直径とパス間隔に依存するが,バニシング力が大きくなり,またパス間隔が小さくなると,バニシングボールと加工物間の摩擦力及び粘着力が発生することにより,加工物の表面に点状の剥離が発生するので,実際に計測した表面粗さは理論的計算した粗さより高くなると考えられる.この推測を検証するために,より強いバニシング力で加工を試みた.F=500 N, I=0.15 mm, S=100 mm/minの加工条件で加工した結果より,図7に示すように重度の剥離(窪み)が発見された. 3・2 表面硬さと結晶粒径への影響 バニシング加工より試験片の硬度,結晶粒径及び結晶配向性の変化を評価するために,前加工の影響を除去する必要がある5,6).そのためバニシング実験を行う前に,加工物のAZ31板を500℃,1時間でアニーリングした.試験片表面のビッカース硬度をマイクロビッカース硬度計(アカシ,HM-124S)より測定した. 各加工条件(バニシング力,送り速度とパス間隔)の影響を調べるために,3因子3水準の直交表を利用し9つの加工条件を設計した7).加工条件を表3に示す.この加工条件で加工した試験片の表面ビッカース硬度を表4に示す.バニシング加工の条件にかかわらず,硬さが上がったことが分かった. 元元素素 割割合合 バニシング⼒: F (N) 送り速度: S (mm/min) パス間隔: I (mm) 加⼯前粗さ: Ini Ra (µm) Al (%) 2.5-3.5 Zn (%) 0.6-1.4 Mn (%) 0.2-1.0 50, 100, 100, 200 0.05, 0.1, 0.15,0.3, 0.5 0.33, 1.95 Mg (%) Rem. 図6 表面粗さとパス間隔の関係 図7 500Nで加工した試験片の表面 − 131 −
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