空引きでは引抜き毎に肉厚比 (肉厚/直径) が増 謝 辞 参考文献 マグネシウム合金管の冷間塑性加工性は乏しいが,1パス管外径縮小率R/Pが10%までは破断せず引抜きができることがわかる.しかし,引抜き管の表面に図中に示した疵が発生することもあった.引抜き中の破断,疵発生,材料歩留まりなどを考慮すると最適管外径縮小率は5%であると判断できる. 4.まとめ 液体マンドレル引きにより無痛注射針用管,医療手術用吸引細管,マグネシウムステント用細管の量産引抜き技術について検討した.得られた事柄を以下に示す. 1)有限要素法により管の空引き,液体マンドレル引き後の管の肉厚を精度よく予測できることを明らかにした. 2)液体マンドレル引き加工では,医療用極細管に必要条件となる薄肉,管の内外表面性状,偏肉などの項目を満足する極細管が得られることを明らかにした. 3)長尺の素管に水などの液体を封じ込め,ドラム式伸線機により引抜き加工をすることにより長尺の医療用極細管の製造が可能であった. 4)液体マンドレル引き加工により,マグネシウムステント用細管の製造が可能であることを明らかにした. 本研究は公益財団法人天田財団の平成29年度一般研究開発助成AF-2017008および2017年度科学研究費助成(17K06867)の支援を受けて実施した研究であり,ここに記して心より深く感謝の意を表する.また,本研究の実験補助をしていただいた東海大学塑性加工研究室の院生,学部生の皆様に感謝の意を表する. 1)JETRO:マーケットレポートNo.69日本の医療機器市場調査,(2014). 2)経済産業省:医療機器政策資料,(2018). 3)吉田一也:フォームテックレビュー,(2012), 80-85,天田財団. 4)Yoshida K., Yokomizo D. :J. of Key 5)Yoshida K., Koiwa A.: J. of Solid 6)古島剛:ぷらすとす,2-15(2019),161-165. 7)吉田一也:特許第4915984号. 8)Yoshida K., Fueki T. :Magnesium 9)Yoshida K.:Proc. of TMETC11, (2018), 1-8. 図11 各種引抜き法により得られたマグネシウム合金管の断面形状 加し他の加工法に比べて最も厚肉の管になっている.純アルミ線材をマンドレルとして使ったマンドレル引きが最も薄肉になり医療ステント等への利用には好都合であるが,加工後にアルミマンドレルを抜き取る作業が難しく,極細管製造には適しないことがわかった.一方水と油をマンドレルに利用した液体マンドレル引きは,引抜き毎にわずかに増肉するものの,肉厚比は仕様範囲内であることと偏肉もないことから上記の引抜き法の中では最も優れた加工法と判断できる. 3.2 冷間引抜き加工の可否 直径7.5mm,肉厚0.75mmのマグネシウム合金(AZ31)を供試材とし,ダイス半角αが6°で潤滑剤はテフロン系樹脂潤滑剤を用い液体マンドレル引き実験を行った.冷間液体マンドレル引きの可否を調べ,その結果を図12に示す. 図12 マグネシウム合金管の引抜きの可否 Engineering Materials, 622-623(2014), 731-738. Mechanics and Materials Engineering, 5-12(2011),1071-1078. Technology in the global age, (2006),581-593,Met Soc. − 121 −
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