3.実験結果および考察 3・1 純アルミニウムエンボス板の陽極酸化 ンボス板をアセトンにより脱脂洗浄したのち陽極に、また陰極にはSUS316板を用い、0.3 mol/L H3PO4水溶液中で30 Vの定電圧を1時間印加した。蒸留水で洗浄後、陽極酸化後のアルミニウムエンボス板表面を走査電子顕微鏡 (SEM) により観察し、酸化被膜の微細孔の生成を確認した。 陽極酸化後のアルミニウムエンボス板を2枚積層したのち、接合部以外をテフロンテープで被覆し、銅めっきに供した。なお、テフロンテープによる被覆はエンボス板どうしの位置関係の固定も兼ねている。 銅めっき条件を表1に示す。硫酸銅浴を用いた典型的な定電流銅めっきの条件であるが、広範囲における銅めっき充てんに有利となる添加剤のヤヌスグリーンB (JGB) の添加量を変えた。アルミニウムエンボス板を2枚積層したものをポーラスアルミニウムとみなし、各条件下で作製したポーラスアルミニウムを室温で一軸圧縮試験に供した。クロスヘッド速度は0.01 mm/s 図4 純アルミニウムエンボス板の外観写真・模式図 表1 めっき条件 CuSO4∙5H2O 220 g/L H2SO4 60 g/L NaCl 0.1 g/L 浴組成 ポリエチレングリコール(分子量6000)0.5 g/L 添加剤 ビス(3-スルホプロピル)ジサルファイド10 mg/L ヤヌスグリーンB (JGB) 0~20 mg/L 銅板 陽極 アルミニウムエンボス板(2枚積層) 陰極 電流密度 1.5 A dm−2 通電時間 5時間 その他 室温、700 rpmで撹拌、電極間隔約3 cm とした。圧縮方向はエンボス板の板厚方向と平行とした。また、試料を切断し樹脂埋め・研磨後、光学顕微鏡を用いて接合(銅めっきの充てん)状況を観察した。 陽極酸化処理後の純アルミニウムエンボス板試料表面のSEM観察の結果を図5に示す。表面には孔径約50 nm、気孔率約30%の微細な孔が多数観察された。この多孔構造は陽極酸化処理を施したエンボス板表面全域で観察され、また、エンボス加工されていない純アルミニウム板表面に形成されるものとよく似ていた。従って、エンボス加工が純アルミニウムの陽極酸化へ及ぼす影響はほぼないといえる。 図5 陽極酸化を行ったアルミニウムエンボス板表面のSEM写真 3・2 接合試料外観 アルミニウムエンボス板を2枚積層したものをめっき接合後により接合した試料の外観写真を図6に示す。この図に代表されるように、いずれのめっき条件においてもエンボス板間に銅めっきが析出していた。また、 図6 銅めっき接合後の2枚のアルミニウムエンボス板の外観 − 110 −
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