助成研究成果報告書Vol33
106/466

2・2 実験材料 3.研究成果 3・1 コルゲートクラッド容器の外観 複合ダイスを用いてコルゲートクラッド容器の成形を行った.図3に,成形後の純チタンコルゲートクラッド容器の外観を示す.ブランクはすべて純チタンである.また,構成する容器の初期ブランクの厚さは,内側0.3 mm,中央0.4 mm,外側0.4 mmである.コルゲートクラッド容器において底割れや壁割れなどの破壊は発生せず,成形が可能であることが分かった.通常の円筒容器である内側および外側の容器では,開口部で異方性による耳の発生が確認された.また,外側容器では,開口部の一部で材料が座屈している部分が確認された.しわ抑え力が低下したため,円周方向の圧縮応力に対して材料が変形しやすくなったと考えられる. 成形性に及ぼすブランクの材質の影響を調べるため,純チタンから鉄鋼材料であるステンレス鋼SUS304や極低炭素鋼SPCCに変化させて成形を行った.コルゲートクラッド容器における破壊は見られず,良好な成形性を示した.図4に,鉄系ブランクから成形を行ったSPCC(a)およびSUS304(b)の容器の外観を示す.構成する容器の初期ブランクの厚さは,内側0.3 mm,中央0.4 mm,外側0.4 mmである. 図図33 チタンコルゲートクラッド容器の外観 (a) SPCC (b) SUS304 図図44 鉄系コルゲートクラッド容器の外観 図図55 純チタンクラッド容器の側壁部内部の構造 表1 深絞り加工条件 10 kN SKD11, 60HRC 39 - 40 mm 3 mm SKD11, 60HRC 40 - 40.8 mm 3 mm SKD11, 60HRC しわ抑え力 材質 直径 コーナ半径 材質 穴径 コーナ半径 材質 穴径(内接) 41 mm 材質 直径 材質 穴径 コーナ半径 パンチ 上部ダイ ローラダイ 鋼球 下部ダイ 潤滑剤 試験材料はおもに市販の純チタンJIS1 種TP270とJIS2 種TP340で,板厚はTP270では0.3 mm,0.4 mm,0.5 mmで,TP340では0.5 mmである.一部,鉄鋼材料であるステンレス鋼SUS304と極低炭素鋼SPCCを用いた.円板状試験片であるブランクは,直径80 mmと85 mmの2種類で,ブランキングによって作製した. 2・3 純チタンの工具への焼付き防止 受け入れた純チタン板をそのまま深絞り加工を行うと,金型工具との激しい焼付きが発生しやすい11).そのため,ブランクや工具へのテフロン剤の塗布すること12),大気中加熱や電気化学などによる酸化皮膜処理を行うこと13,14),などが焼付き防止に有効であることが知られている.本研究では,純チタンブランクに対してテフロン剤の塗布を行った. 2・4 容器の評価 容器における板厚の測定は,ミツトヨ製マイクロメータAPB-3Dを用いた.薄板の圧延方向を0°とし,圧延方向に対して45°方向と90°方向も含めた3方向において測定を行った.測定箇所は容器底部の中心を起点とし,各方向の開口部に向かって,コーナ部手前までは2 mm間隔で,またコーナ部から側壁部の中央部までは1 mm間隔で測定を行い,それ以降は2 mm間隔で測定を行った. 容器における硬さの測定は,ミツトヨ製HM-124を用いた.容器における測定は,円周方向と半径方向の2方向で行い,板厚中央付近を5点測定し,その平均値を求めた. 容器の強度は圧縮試験によって評価を行った.圧縮試験は精密万能試験機インストロン社製5982型を用い,クロスヘッド速度5 mm/minで行った.得られた荷重ー変位曲線から最大圧縮力を求めた.容器は底部から高さ25 mmとし,開口部をワイヤーカットで切断した. SUJ2, 800HV 10 mm SKD11, 60HRC 46.4 - 46.6 mm 3 mm 二硫化モリブデン系 − 104 −

元のページ  ../index.html#106

このブックを見る