助成研究成果報告書Vol32
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− 30 −塑性加工塑性加工キーワード連絡先メールアドレスキーワード連絡先メールアドレス[応用分野]大阪産業技術研究所 金属表面処理研究部 主任研究員[応用分野]早稲田大学 基幹理工学部 教授AF-2016031一般研究開発助成AF-2016032一般研究開発助成塑性加工,機械部品ドライコーティング,湿式めっき,保油構造,金型,曲げ加工kobata@tri-osaka.jp塑性加工,プレス成形応力緩和,高張力鋼板,プレス成形,Kocks-Mecking (KM) モデルsuzuki-s@waseda.jp小畠 淳平鈴木 進補塑性加工トライボシミュレータによるチャンネル型微細溝硬質膜の最適保油構造の探究高張力鋼板における応力緩和現象によるプレス成形性向上メカニズム究明我々はこれまでの研究で,湿式めっきとドライコーティングの複合化処理により,保油効果を示す微細な網目状の溝(チャンネル型微細溝)を有するPVD硬質膜を新たに開発した.本研究では,塑性加工トライボシミュレータによるハット曲げ試験により,チャンネル型微細溝PVD硬質膜の溝密度と塑性加工における潤滑油・被加工材の関係を体系的に調査し,種々の塑性加工におけるチャンネル型微細溝PVD硬質膜の最適な保油構造を特定する.実験の結果,SUS304およびA1050板材の塑性加工では,CrNおよびDLC膜とも微細溝の溝密度が高い膜ほど保油効果が高く,さらに,潤滑油の粘度が高いほうが塑性加工時の摩擦係数を低くできることを見出した.本研究で開発した高い溝密度を持つチャンネル型微細溝PVD硬質は,塑性加工用金型や過酷なしゅう動が生じる機械部品で活躍できる技術である.590 MPa級高張力鋼板において引張試験および応力緩和試験を行い,試験機剛性の定量化,応力緩和挙動の発現を確認し,Kocks-Mecking(KM)モデルのパラメータを同定した.各ひずみ,ひずみ速度,温度における応力緩和挙動の実験値とKMモデルによる予測値を比較し,プレス成形性向上に関わる各パラメータの影響を明らかにするとともに,以下の知見を得た.(1) KMモデルにより応力緩和挙動のひずみ速度,温度,およびひずみ依存性が定性的に予測できる.(2) 定量的にはKMモデルでは実際より応力緩和挙動を顕著に表現している.今後,試験機慣性による保持開始直後のひずみ進展および,転位密度の温度依存性を考慮することにより,応力緩和を予測する精度を向上できる.今後本研究で構築した式の精度を向上させ,FEMに組み込むことで,応力緩和現象を考慮したプレス成形シミュレーションを行えると期待できる.

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