− 38 −塑性加工塑性加工AF-2016043奨励研究助成AF-2016044奨励研究助成医療デバイス成型加工,金属ガラス,粘性流動,形状記憶合金,マルテンサイト変態junpei.sakurai@mae.nagoya-u.ac.jp塑性加工,水素脆化アルミニウム合金,腐食環境,破壊挙動,予ひずみd-sasaki@kurume-nct.ac.jp名古屋大学 大学院マイクロ・ナノ機械理工学専攻准教授久留米工業高等専門学校 材料システム工学科助教櫻井 淳平佐々木 大輔Ti-Ni系高成形性形状記憶合金の成形加工法の研究腐食環境におけるアルミニウム合金の破壊挙動に及ぼす予ひずみ方向の影響Ti-Ni-Zr高成形性形状記憶合金(HFSMA)は,非晶質状態で薄膜金属ガラスとなり過冷却液体域で粘性流動特性を示すため三次元構造への成形加工が容易となり,結晶化熱処理後,形状記憶合金に変化する.HFSMAsは上記のような特性を有するため,従来の形状記憶合金の問題点だった,高切削抵抗などによる難加工性を改善でき,三次元構造を有した新しい形状記憶合金デバイスを実現が期待されている.そこで本研究では,Ti-Ni-Zr HFSMAの成形加工性及び形状記憶特性等を評価し,構造体の一例として折りたたみ可能なパイプ構造の作製法の提案と作製を行った.パイプ構造の作製プロセスを①成形加工,②接合,③結晶化と区分し各プロセス条件の最適化を行い,折りたたみ可能なパイプ構造を作製した.パイプ構造の形状記憶特性評価を行い,パイプ径の縮小・拡大によって形状記憶特性を有することを確認した.有限要素法による予測値と実測値が対応しない理由は諸説あり、環境因子が最重要因子の一つとして注目されている。腐食環境下では大気下と比較して小さな割れでも強度低下を引き起こすことが報告されている。塑性加工時の微視的損傷が軽度な場合でも、強度低下を引き起こすことが予想される。これは破壊条件の閾値が使用環境によって変化することを意味する。しかし、腐食環境と塑性加工条件に同時着目した研究は行われていない。そこで、著者らは予ひずみ方向に対して方向を変えて切り出した試験片を腐食液に浸漬し,引張試験を行った.本研究によって以下の知見を得た.1)腐食液に浸漬させていない場合,強度に変化は観察されなかった.2)腐食液に浸漬させた場合,予ひずみ方向に対して45°に切り出した試験片で最も強度が低下した.3)腐食液に浸漬させた場合のみ,予ひずみ方向の依存性が発現したのは,水素により損傷形成が助長されたためである.
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