助成研究成果報告書Vol31
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− 33 −塑性加工塑性加工AF-2015037一般研究開発助成AF-2015038一般研究開発助成塑性加工マグネシウム,3点曲げ変形,結晶方位依存性,異方性,変形機構,降伏応力shinji@msre.kumamoto-u.ac.jpハイテンの特性向上,非破壊検査による材料内部の損傷評価ハイテン,延性破壊,直流電位差法tnakata@gifu-u.ac.jp熊本大学 先進マグネシウム国際研究センター教授岐阜大学 教育学部 技術教育講座准教授安藤 新二中田 隼矢マグネシウム合金の曲げ加工における変形機構の解明直流電位差法を用いた自動車用超ハイテンの 引張変形に伴う金属組織中の微細欠陥評価技術の開発マグネシウム合金の利用拡大を目的として,塑性加工方法の1つである曲げ加工おける変形挙動を調査した.変形過程に対する結晶方位の影響を調べるために,純マグネシウム単結晶を用いて,結晶方位の異なる試験片を作製し3点および4点曲げ試験を行った.いずれの試験においても,底面が中立面に平行な場合は底面すべりにより低い応力で変形するが,底面が中立面に垂直な場合は双晶変形により変形し,急激な加工硬化を示した.また底面すべりまたは双晶が活動する場合では,曲げ変形後の形状が異なった.それぞれの曲げ変形機構を検討し,曲げ降伏応力と底面すべりおよび双晶の臨界分解せん断応力の関係を明らかにした.圧延面に底面が揃った集合組織をもつ純マグネシウムの多結晶圧延材の3点曲げ試験では,多結晶材でも単結晶と同様に曲げ方位により主に活動する変形機構が異なった.それに伴って降伏後の加工硬化挙動が異なることがわかった.地球温暖化対策のための自動車の燃費向上や,衝突事故時の自動車の安全性を確保するため,自動車骨格部品用の材料として,強度と延性を両立できるハイテンの利用が拡大している.ハイテンの特性をさらに向上させるためには,変形に伴い生じる微細組織中の損傷を把握し,これらを抑制できる組織設計を実現する必要がある.本研究では,簡便な非破壊検査法の一つである直流電位差法を用いて,ハイテンの引張変形挙動や微細組織中に生じる損傷について評価した.その結果,強度・延性バランスの向上のため加工誘起変態を強く利用している980 MPa級超ハイテンにおいては,変形に伴う比抵抗変化に対して,加工誘起変態によるオーステナイトからマルテンサイト相変態が強く影響しており,ボイドの面積率の上昇とも良い相関を示した.直流電位差法を用いることによって,変形に伴う材料内部の損傷や相変態挙動を簡便に評価できることが期待される.

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