助成研究成果報告書Vol31
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− 26 −塑性加工塑性加工AF-2015023一般研究開発助成AF-2015024一般研究開発助成自動車用部材,建設用部材,高強度ボルト鉄鋼材料,組織微細化,3点曲げ試験,材料強靭化,温間圧延INOUE.Tadanobu@nims.go.jp金型,熱交換器,冷房機器ダイヤモンドライクカーボン,オニオンライクカーボン,ラマン分光分析takayuki.tokoroyama@mae.nagoya-u.ac.jp物質・材料研究機構 構造材料研究拠点 設計・創造分野 塑性加工プロセス Gr.分野長名古屋大学 大学院工学研究科准教授井上 忠信野老山 貴行生物の持つ強靭化発現機構を模倣した強靭な鋼の創成と破壊メカニズムの解明霜成長方向制御可能なテクスチャリング表面塑性加工のための 金型表面コーティングの靭性向上への挑戦アワビの貝殻が持つ微細積層構造と応力遮蔽効果による強靭化発現機構を具現化できる超高強度鋼を圧延プロセスによって創成し,その破壊メカニズムを詳細に検討した.具体的には,1800MPa級の中炭素低合金鋼を対象に,500℃での溝ロール圧延によって,強いαファイバー(圧延方向//<110>)集合組織を持ち,かつ結晶粒の短軸長さ0.3ミクロンの超微細繊維状結晶粒組織を有する14mm角×1m長さの棒鋼を創成し,-196℃から200℃の温度域での引張り試験と3点曲げ試験,そして組織観察を通じて,初期ノッチ底からのき裂伝播挙動と組織の関係について検討を行った.結果として,開発材は超高強度であっても脆性的に破断しない機能を有し,微視き裂が発生しても主き裂は材料の長手方向に伝播することで,材料そのものは直ちに壊れないことを示した.これは,塑性加工によって,結晶粒の形態(粒径と粒形)と集合組織を制御することで可能であることを明らかにした.アスペクト比が1以上となる深溝のテクスチャリングを形成するため,ダイヤモンドライクカーボン(DLC)膜を有する金型開発が求められている.しかし,DLC膜は引張りに非常に弱い問題を有している.DLC膜の靭性向上のため,靭性向上を目的とした補強用炭素物質を含有させるCVD及びPVD手法について成膜可能性の検討を行った.補強材にはOLC(オニオンライクカーボン)を用い,膜内における結合状態の解明のためラマン分光分析を行った.CVD成膜により,OLC含有DLC膜内部にはOLC由来と考えられるIDピークが1481 cm-1に得られた.PVD成膜でもCVD同様にta-C膜内部にOLC由来のIDピークが確認され,IDピークの倍音と考えられる2700 cm-1付近にもわずかにピークが検出された.CVD及びPVDのいずれの成膜方法でもOLCはDLC膜内に取り込まれ,共有結合を持ったことが示唆された.

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