− 24 −塑性加工塑性加工AF-2015019一般研究開発助成AF-2015020一般研究開発助成–都城工業高等専門学校 機械工学科教授京都大学 大学院エネルギー科学研究科 エネルギー応用科学専攻准教授永野 茂憲浜 孝之疲労,ショットピーニング処理,マルエージング鋼,相対湿度,内部破壊takanori@cc.miyakonojo-nct.ac.jp板材成形純チタン板,結晶塑性有限要素法,変形異方性hama@energy.kyoto-u.ac.jpショットピーニング処理と特殊時効処理によるマルエージング鋼の疲労強度改善純チタン板における結晶塑性解析手法の確立と変形特性の解明時効条件を変えたマルエージング鋼にショットピーニング処理を施し,湿度25%と85%中で回転曲げ疲労試験を行い,疲労強度に及ぼすショットピーニング及び時効組織と湿度の影響を調べた.主な結果をまとめると以下のようになる. (1)ショットピーニング処理により,疲労強度は大幅に上昇した. (2)一般に疲労強度は高湿度により低下するが,ショットピーニング処理を行えば,疲労強度の低下を抑制できた. (3)ショットピーニング材の疲労強度には,時効組織と湿度の影響は認められなかった. (4)今回のショットピーニング条件は,本実験範囲のマルエージング鋼の硬さにおいては,最適なショットピーニング条件であったといえる. (5)ショットピーニング材の破壊形態は,高応力を除きほぼすべての応力下で内部破壊を生じた. (6)内部破壊による破面の特徴には,時効条件や湿度条件による違いはほとんど見られなかった.本研究では,筆者らがこれまで開発してきた結晶塑性解析プログラムを拡張することで,工業用純チタンの変形挙動の高精度な予測に資する結晶塑性解析技術を開発し,またそれにより種々の負荷経路における変形特性を明らかにすることを目的とした.研究の結果,一軸引張,一軸圧縮,反転負荷,二軸引張などプレス成形で見られる主要な負荷経路における工業用純チタン板の塑性変形挙動および集合組織発展を良好に予測できる結晶塑性解析技術の開発に成功した.また解析結果に基づく考察から,工業用純チタン板で見られる強い変形異方性は負荷経路によって活動すべり系あるいは活動双晶系が大きく異なることが要因であることが明らかとなった.さらに,反転負荷では双晶回復が塑性変形挙動に大きく影響し,またそのため顕著なひずみ経路依存性が発現することが明らかとなった.以上の知見は,将来的な高精度塑性加工シミュレーションの礎となることが期待される.
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