− 22 −塑性加工塑性加工AF-2015015一般研究開発助成AF-2015016一般研究開発助成金型の表面硬化工具鋼,放電,表面硬化,窒化myoshida@daido-it.ac.jp微小電気機械システム,軟磁性部品マイクロ部品,鉄系金属ガラス,粘性流動成形加工ynoriharu@imr.tohoku.ac.jp大同大学 機械システム工学科准教授東北大学 金属材料研究所助教吉田 昌史吉年 規治液中パルス放電による工具鋼の局所表面硬化法の開発無容器凝固法による高品位鉄系金属ガラス原料粒子の合成と 1粒子の粘性流動加工プロセスによる高精度・高強度マイクロ部品の創製 本研究では液中放電を利用し,工具鋼の局所的な表面硬化法の実証を試みた.液体窒素中放電により,窒素拡散層および窒素化合物層を生成できることが分かった.生成された窒素化合物層はFeN0.076である.窒化層は再溶融凝固層と考えられ,窒化反応は溶融し再凝固するわずかな時間で起こったものと考えられる.加工液に液体窒素を用いることで,表層部は約700 HVまで硬化させることができる.鉄電極を用い正極性で処理を行うことで,改質層厚さの増加が可能である.これは,電極材質材料の加工物表面への移行によるものと考えられる.バイポーラパルスを用いた場合でも,FeN0.076の窒化物が生成された.処理時間の増加にともない改質層厚さは減少した.これは,放電時の衝撃圧力による表層溶融部の飛散除去によるものと考えられる.改質層の密着性を評価した結果,圧痕周囲に大きな亀裂が認められなかった.無容器凝固プロセスにより作製した鉄系金属ガラス粒子は、高強度・高耐摩耗性・高耐食性に優れており、かつ過冷却液体温度域での粘性流動加工(ガラス加工)が可能であるため、高機能マイクロ部品用の基盤材料となりうるものと考えられる。鉄系金属ガラスの粘性流動成形加工を実現するために、過冷却液体温度域で優れた流動特性を示す合金探査を行った結果、[(FeCoNi)0.75Si0.05B0.2]96Nb4合金の最低到達粘性係数が1.7×109 Pa・sであり、これまでにすでに単粒子を用いたマイクロ粘性流動加工に成功している[(Fe0.5Co0.5)0.75Si0.05B0.2]96Nb4金属ガラスと比較して、約37%低い粘性係数を示すことが明らかとなった。このことは、より小さい応力で粘性流動加工が可能であることを意味しており、[(Fe0.5Co0.5)0.75Si0.05B0.2]96Nb4金属ガラスより優れた加工性を有していることを確認した。今後のさらなる研究において、合金組成を検討することにより鉄系金属ガラスを用いた高精度・高強度マイクロ部品の工業化が期待される。
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