助成研究成果報告書Vol29
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− 264 −5. 結言 謝 辞 参考文献 本研究では,樹脂粉末をレーザ焼結した試料に対して,表面処理技術のひとつとしてレーザによる平滑化を提案し,実験によって有効性を実証した.本研究の成果を以下に示す. 1)デフォーカスし,レーザ出力を調整することによって,1回の単線走査による加工部の幅と深さを調整することができた.すなわち,1回で平滑化できる領域が広くなるだけでなく,試料の寸法変化を小さくすることができた. 2)焦点距離38.1mmのレンズで4.8mmデフォーカスを行い,レーザ出力50~70W,走査間隔101μmで加工することでRa 0.4μmまで低減できた. 3)造形時の配置方向によって,試料の初期粗さRaで5~10μm程度は異なっていたが,条件を調整することでどの試料もRa 0.5μm以下の表面を得られた. 4)平滑化後の試料の寸法は,1000μm程度小さくなる.設計時もしくは造形時にあらかじめ寸法を大きくしておくことで補正できる. 5)表面を平滑化することによって,積層方向に長手を配置した試験片の引張強度,破断ひずみ,弾性率が向上した. 6)水平方向に長手方向を配置した試験片については,平滑化することによって破断ひずみは増加したが,引張強度と弾性率は低下した. 7)平滑化を行うことで,樹脂AM品で課題となっている積層方向による強度の異方性を緩和することができた. 1)中川威雄:積層造形法の応用分野,レーザー研究,24,4,(1996),443 2) J.A. Ramos-Grez,D.L. Bourell:Reducing surface roughness of metallic freeform-fabricated parts using non-tactile finishing methods,International Journal of Materials and Product Technology,21,(2004),297 3) A. Lamikiz,J.A. Sa´ nchez et al.:Laser polishing of parts built up by selective laser sintering,International Journal of Machine Tools & Manufacture,47,(2007),2040 4)杉岡幸次,中田芳樹他:最新レーザプロセシングの基礎と産業応用,電気学会,(2007),66 5) C. Majewski,N. Hopkinson:Effect of section thickness and build orientation on tensile properties and material characteristics of laser sintered nylon12 parts,Rapid Prototyping Journal,17,(2011),176 本研究は,公益財団法人天田財団 平成26年度奨励研究助成を受けて実施しました.ここに感謝の意を示します.

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