②-1101.68.87①-138.18.87− 259 −ある.この粗さは,積層段差や粉末材料の使用によって発生し,外観劣化や,摺動性悪化,強度低下といった点で製品として適していない.この粗さを処理するには後加工が必要であり,課題となっている.現在ではサンドペーパーを用いた手作業で研磨処理しており,生産効率が極めて悪い1).また処理の具合が毎回異なるため,厳密に言えば同一のものを生産できないといった欠点もある.表面処理技術は従来,研削や研磨,切削加工が用いられ,一部自動化されている.しかしAM技術に対して従来方法では,工具形状の関係などから,エッジや自由形状を処理できない場合が多い.すなわち,第三の加工法とも呼ばれる画期的なAM技術ではあるが,表面処理技術の未確立が,製品製造にあたっての大きな障害となっている. 一方,AM技術の表面処理法として,レーザによる表面改質が報告されており興味深い2) 3).レーザは工具形状等を考慮する必要がなく,表面のみを処理できるため,形状自由度の高い部品の作製を得意とするAM技術に対して有効であると考えられる.しかしながら非接触加工であるゆえに,部材ごとに改質条件の探索が必要であるが,過去の報告は金属を対象としており,樹脂に対する検討はほとんど行われていない.本研究では,AM技術のメリットをさらに生かし,製品製造を促進させることを目的として,レーザによる樹脂AM品に対する表面平滑化を提案した.まず材料の加工特性を把握するための実験を行い,探索した条件で平滑化を実施したので報告する. 2.1 単線加工による実験方法 実際にレーザを照射して平滑化する場合は,単線加工を繰り(地独)東京都立産業技術研究センター 事業化支援本部技術開発支援部 キーワード:付加製造,レーザ焼結,レーザ研磨 1.研究の目的と背景 近年,積層造形装置は3Dプリンタと呼ばれ,様々な業界・業種で急速な普及・利用が始まっている.ASTM Internationalにおいては,この加工法をAM(Additive Manufacturing)として規格化した.AM技術のなかでもレーザ焼結は,射出成形品に近い強度,靱性,耐久性を持った部品を製作することができる.さらにワークスペース内にデータを3次元的,多段的に配置できるため,少量であれば金型よりも安く,早く生産することができる.しかしAM技術の現状の活用方法は,機能・意匠モデル等,試作までである.これは,部品表面の粗さが問題となるためで2.加工特性の把握 副主任研究員 山内 友貴 (平成26年度奨励研究助成 AF-2014224) 返し行うラスタ走査により面の加工をするが,その単線の幅や深さが重要な要素である.本項では,樹脂AM試料への加工特性を把握するため,レーザを走査し加工部の観察を行った.加工する単線は,より広い幅で,ごく表層のみが溶融する条件が理想である.この条件を探索するため,本研究ではレーザの焦点をデフォーカスすることを試みた.加工には,ポリアミドへの吸収率が高いCO2レーザ(トロテック社製Speedy 400 flexx)を用いた.加工条件を表1に示す.焦点距離の異なる2種類のレンズを使用し,それぞれレーザ出力,デフォーカス距離を変化させて実験を行った.デフォーカス時のビーム直径は,まず(1)式で焦点におけるビーム直径φ(0)を求め,Z mmデフォーカスさせた場合のビーム直径φ(z)を(2)式4)より算出した.このときλはレーザ波長で10.6μm,fは焦点距離,M2 = 1.2,Dを集光前の直径とした.焦点におけるビーム直径は,条件①で約250μm,②で約660μmである.デフォーカス距離を調整し,加工部の焦点直径をおよそ1000μm,2000μm,4000μmとした. レンズ焦点距離[mm]走査速度[mm/s]デフォーカス距離(Z) レーザ出力[W]1インチあたりの 試料は,平均粒径50μmのPA11粉末(アスペクト社製Aspex-FPA)を,造形機(アスペクト社製RaFaEl-300F)でレーザ焼結した.試料は70mm×30mm×2mmとして,積層方向に厚さ(2mm)方向を配置した.加工する面は70mm×30mmの面とした. 加工後の評価は,肉眼での目視とSEM(日立ハイテクノロジー表1 実験条件 条件パルス数0.0,1.9, 4.8, 9.5[mm]10,30, 50, 70, 90(1) (2) 0.0,14.2, 35.6, 71.21000粉末焼結法による積層造形品へのレーザ表面改質技術の探索 ()=4 8()()=
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