助成研究成果報告書Vol29
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4.結論 − 253 −謝 辞 参考文献 図8 接合界面付近のKAMマップ,太矢印はき裂発生により生じた隙間部分. 本研究では,Fe-Al系IMCの塑性変形能について検討するために,SS400とA1100-OのFSWを行い,接合界面に薄いIMC相を形成させたTWBを作製した.接合方向に平行な方向の引張試験を実施した後,接合界面の観察および結晶方位解析による局所的なひずみ量の評価を行った.接合方向に引張変形させると,接合界面のIMC層がSS400およびA1100の変形に追従できず,IMC層中に多数の微小き裂が発生していたが,き裂は母材には伝播していなかった.このことから,SS400とA1100のテーラードブランクを二軸変形できるのは,界面のIMC層が大変形するのではなく,発生したき裂が母材に伝播することなく変形が進むことが要因と考えられる.一方,引張変形により生じるSS400およびA1100のひずみは,き裂近傍のみに集中しておらず,き裂のない部位(IMCの存在部位)にも発生していることから,IMC層がある程度塑性変形している可能性も示唆された.しかしながら,IMC層は想定していたよりも非常に微細で,数十nmの結晶粒からなる組織であったため,EBSDによる解析は不可能で,微小ひずみ解析法として最近注目されているHR(High Resolution)-EBSD法も試みることができなかった.IMC層の解析には,TEMによる更なる詳細な解析が必要であると考えられ,IMCの大ひずみ変形挙動の解明に向けての今後の課題が明らかになった. 本研究は公益財団法人天田財団からの奨励研究助成(AF-2014034)によって実施されました.ここに深く感謝の意を表します. 1) S. Nambu, M. Michiuchi, Y. Ishimoto, K. Asakura, J. Inoue and T. Koseki, Scr. Mater. 60 (2009) p.221. 2) T. Tanaka, T. Hirata, N. Shinomiya and N. Shirakawa, J. Mater. Proc. Tech., 226 (2015) p.115. 図9 IMC層のTEM写真.

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