助成研究成果報告書Vol29
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図6 引張試験後の領域Bの接合界面ミクロ組織,破断部 − 252 −より(a)25mm離れた位置,(b) 28mm離れた位置. よる結晶方位解析を行った.解析部位は領域Aである.図7にEBSDによる結晶方位マップ(IPFマップ),図8に同視野のKernel Average Misorientation(KAM)マップを示す.KAM値とは,結晶粒内において,ある位置(ピクセル)の周囲との方位差を表し,ひずみ量に対応する値である.IPFマップにおいては,接合界面近傍の母材は結晶粒が著しく微細化されていた.一方,IMC層では鮮明な菊池パターンが得られず,解析不可能であった.母材のIMC層により近い部位では,引張方向にやや伸長した結晶粒が認められた.その特徴は,IMC層と連続不連続な部位に係わらず確認され,特にSS400側で顕著であった.一方,KAM値に注目すると,き裂発生により生じた隙間部でやや値が大きい部位もあるが,顕著な傾向は認められなかった.以上の結果より,IMC層は母材と比べて早期に破断しているが,ある程度の変形は期待できることが示唆される.IMC層を直接的に方位解析できれば,詳細に考察できるが,前述のようにIMC層はEBSDによる方位解析が不可能であった.その要因を調査するために,IMC層をTEM観察したところ,図9のようにIMC層は数十nmの非常に微細な結晶粒で構成されていることがわかった.EBSDでは,菊池パターンの発生領域に起因して,この大きさの結晶粒の方位解析は困難であるため,より詳細な解析を進めるためには,TEMによる観察が必要と考えられる. 図7 接合界面付近のIPFマップ,太矢印はき裂発生により生じた隙間部分.

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