助成研究成果報告書Vol29
256/306

VH / 0 2.実験方法 2.1 供試材 供試材は,市販の厚さ10mmのAZ31Bマグネシウム合金圧延材(大阪富士工業株式会社)および厚さ2mmの度硬スーカッビ103浸漬時間/sec106− 246 −キキーーワワーードド:マグネシウム合金,極低温浸漬処理,塑性変形挙動 1. 研究の目的と背景 国産エネルギー資源として注目されているメタンハイドレードは,メタンと水が低温・高圧の状態で結晶化した物質であり,マイナス60℃での低温保存・管理が求められている1),2).したがって発掘地域から消費地までの輸送効率,燃費効率の観点から,輸送機器の軽量化が要請されている. マグネシウム合金は鉄鋼材料の22%,アルミニウム合金の63%の比重であり,実用金属中最も軽い金属であることから構造用材料としての利用が期待されている.しかしながら,これまで極低温下での力学的性質の評価が十分行われているとは云えない.例えば,マグネシウム合金を液化天然ガス(LNG)やメタンハイドレードを管理・運搬するための極低温用構造部材として使用するには,極低温における塑性加工性,高耐衝撃性化の向上等の様々な特性改善と技術開発が必要である. そこで著者は,現在マグネシウム合金の極低温下での衝撃靱性に関する調査3)-5)を行っているが,その際に,マグネシウム合金のユニークな現象をつきとめた.図1はAZ91DおよびAZ61マグネシウム合金のビッカース硬度と液体窒素の浸漬時間の関係を示したものである.すなわち,展伸材あるいは鋳造材に関わらず,マグネシウム合金を液体窒素に浸漬し室温に戻してからの硬度が浸漬前よりも増大したということである. 本研究では,液体窒素ならびに液体ヘリウムの極低温寒剤に浸漬処理を行ったマグネシウム合金の塑性変形挙動を包括的に理解するため,硬度変化の他に延性や加工硬化挙動の調査を行って内因的要因の観点からの評価を 85756555図1 マグネシウム合金の液体窒素浸漬時間に対する硬度変化 都城工業高等専門学校 機械工学科 准教授 高橋 明宏 (平成26年度奨励研究助成 AF-2014033) 行った.また外因的要因からの観点から,ひずみゲージを用いた残留応力の測定も行ったので,それらについて報告する. AZ91Dマグネシウム合金ダイキャスト材(株式会社スタンダードテストピース)であり,表1および表2にそれぞれの化学組成を示す. 表1 AZ31Bマグネシウム合金の化学組成(mass%)表2 AZ91Dマグネシウム合金の化学組成(mass%)SiCuNiMg0.043Bal.2.2 極低温寒剤への浸漬処理方法 図2は,液体窒素を用いた浸漬処理方法を示したものである.引張試験片を液体窒素が8リットル入ったデュワー瓶に投入し,投入後の煮沸現象が収まるまでの時間 図2 液体窒素を用いた浸漬処理方法 AZ91D(鋳造用)AZ61(展伸用)104105液液体体窒窒素素試試験験片片浸浸漬漬処処理理エチルアルコールAlZnMn3.080.15AlZnMn9.40.210.760.74Fe<0.01SiCuNiMg<0.005Bal.Fe0.003<0.005<0.050.003<0.001極低温寒剤に浸漬したマグネシウム合金の塑性変形挙動

元のページ  ../index.html#256

このブックを見る