2.5 新規伸縮性PEDOT:PSSの光学特性 図8に添加剤を加えたPEDOT:PSSの透過性を示す。どの添加剤を加えた系でも添加剤なしと比較して透過度が向上していることがわかる。これは、添加剤が可視光内に吸収スペクトルがほとんどないことに起因すると考えられる。550 nmで基材込みの透過性が85%程度あり、ディスプレイやセンサなどの応用に十分な値である。 図8 添加剤を加えたPEDOT:PSSの透過率。 2.6 伸縮性PEDOT:PSSのパターニング 本研究で開発した伸縮性PEDOT:PSSはナノ秒UVレーザーによるレーザーアブレーションを用いて高解像度にパターニングも可能である。図9にさまざまなライン幅でパターニングした様子を示す。ライン幅10 µmでも高い伸長性を示すことがわかった。図10にライン幅の異なる伸縮性PEDOT:PSSの伸長によるシート抵抗の変化を示す。線幅を細かくすることで、低い伸長歪で大きな抵抗変化を示した。これは図9の光学顕微鏡像でもわかるように、パターニングされた配線の端部からマイクロクラックが成長するためと考えられる。線幅10 µmでも皮膚の伸長性である30%以上の伸長性を示した。 2.7 パターナブル伸縮性PEDOT:PSSの比較 ここまでで開発した伸縮性導電性高分子を専攻研究のパターニング可能な伸縮性導電性高分子と比較したものを表1に示す[1,3–10]。10 µm以下の高解像度と高導電性・伸縮性をシンプルな添加剤で達成している。 図5 LiTFSI、LiBETIをそれぞれ添加したPEDOT:PSSのFTIRスペクトル。 図6 伸長による高分子の吸収スペクトルの二色比(伸長に並行方向と垂直方向の比)計測結果。高ければ高いほど高分子鎖が伸長方向に並んでいることを示す。 図7 添加剤を加えたPEDOT:PSSの導電性の伸長歪依存性。 - 94 -
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