FORM TECH REVIEW_vol33
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⁻⁻⁻ 図6. Ti–40at%Al合金多結晶を1200℃にて種々のひずみ速度 (ε) で変形して得られた組織のEBSD-IPF 方位マップ.(a) ε = 0.001 s–1, (b) ε = 0.01 s–1, (c) ε = 0.1 s–1, (d) ε = 1 s–1. [D.X. Wei et al. J. Alloys Comp. 693 (2017) 1261-1276.] 8) 図7. Ti–40at%Al合金多結晶を1200℃にて種々のひずみ速度 (ε) で変形して得られた組織のEBSD-KAMマップ.(a) ε = 0.001 s–1, (b) ε = 0.01 s–1, (c) ε = 0.1 s–1, and (d) ε = 1 s–1. [D.X. Wei et al. J. Alloys Comp. 693 (2017) 1261-1276.]8) 熱処理によるナノ層状組織の形成機構について検討した.さらにAl-richなTiAl相を選択溶解することにより,高アスペクト比の偏平なポアを創製し,加えて陽極酸化を施すことにより階層的ナノラメラ多孔体創製にも成功した.以下に,得られた具体的結果を記す. 3.1 Ti-40at.%Al合金多結晶の高温変形挙動 図5に1473 K にて種々のひずみ速度(ε)で実施した熱間圧縮試験により得られた真応力—真ひずみ曲線を示す.変形応力はひずみ速度に強く依存することが示された.¹の場合,約30 MPaで降伏した後にほぼ一定ε = 0.001 sの応力で変形し続けた.ひずみ速度の増大とともに変形応力が上昇し,ひずみの増大とともに流動応力が低下する傾向が見られた.さらに,ひずみ速度0.1 s¹以上では,降伏直後に変形応力が急峻に低下する降伏点降下現象が生じた.この降伏点降下はεの増大に伴い顕著となった.ε = 5 ¹の場合には,350 MPa以上の高い応力で降伏した後にsひずみ0.1までに100 MPa以上もの大幅でかつ急激な応⁻力低下を示した.その後ひずみ約0.2まで応力が一定となるプラトー領域を経た後に,ひずみ0.7まで応力がなだらかに減少する特徴的な応力ひずみ応答が観測された. 図5. Ti–40at%Al合金多結晶を1200℃にて種々のひずみ速度で変形して得られた真応力-真ひずみ曲線.[D.X. Wei et al., J. Alloys Comp. 693 (2017) 1261-1276.]8) 図6および図7に変形後の結晶粒組織の,それぞれ,EBSDのIPF方位マップ,およびKAMマップを示す.最小のひずみ速度 ε = 0.001 s¹で変形した場合(図6a),荷重軸方向に[0001]方向が配向した粗大な結晶粒と,それを取り囲む様に分布した粒径100 µm以下の微細で配向性の低い結晶粒が混在した組織が得られた.KAM値は全体的に高い値を示していることから(図7a),[0001]方向3.結果と考察 Ti-Al合金多結晶の熱間鍛造条件と加工組織の形成および再結晶挙動の関係を解明するとともに,その後の相分離- 47 -

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