FORM TECH REVIEW_vol32
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図17 微細凸形状を付与した金型材 図18 水滴の接触角測定 可能であることから,凸形状のさらなる微細化を図るための研究開発を実施した.その結果,金型材に対して0.15~0.20mmの凸形状を狭隣接に加工することで撥水性を付与することが可能となった(図17).得られた表面に水滴を落として接触角を調査したところ,147°を示しており,超撥水面の指標となる150°に近い撥水性が得られていること確認された(図18).今後は撥水性の向上を目指すべく,電極の微細化技術にも取り組む所存である. 謝 辞 参考文献 4.今後の展開 本研究で開発した放電加工によるマイクロニードルアレイマスター型の加工技術は表面に任意の凸形状を付与ロニードルアレイのホットエンボス加工による新たな製造方法の研究開発を実施した.主な結果は以下の通りである。 (1) 円錐穴を有する電極を用いて“らせん揺動”を行いながら放電加工を行うことにより,円錐形状であるマイクロニードルマスターを加工する技術を開発した. (2) PEEK,PFAを用いてマスター型をホットエンボス加工することにより,マイクロニードル成形用の樹脂鋳型を得た. (3) PEEK樹脂鋳型を用いたマイクロニードルアレイの成形では離形性が悪く,成形が不可能であった. (4) PFA樹脂鋳型を用いたマイクロニードルアレイの成形では,中空部を有する成形を確認した. 本研究は公益財団法人天田財団の平成27年度一般研究開発助成事業により実施したものであり,ここに深く感謝の意を表します. 1) 情報機構:マイクロニードル技術動向および応用展開, (2011) 2) S.Henry, D.McAllister, et. al.:J.Pharm. Sci.,87, 922-925, 1998 3) 高間 信行,羅 凱峰,丸岡 豊,金 範埈:2018年度精密工学会春季大会,519-520,2018 4) 小粥 教幸:Fragrance journal 43(1), 49-55, 2015-01 5.まとめ 放電加工で作製されたマスター型を用いた中空マイク- 47 -

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