図2 放電加工機 図3 ホットエンボス装置模式図 表1 放電条件 ELMAX(SUS440C;15×15×45mm) 図4 ホットエンボス装置外観 Workpiece Electrode IP[A] On Time[μs] Off Time[μs] Condenser[pF] CuGr(TTK8C) 1.0,1.5,2.0,2.5,8.0,11.0 2.0,8.8,22.4 8.0,24.0,30.4 0,1000,4300,9000,19000,52000 はその対称である,微細な円錐穴を加工しなければならない.銅をはじめとする金属電極では,バリが原因となるマスター形状の精度低下が懸念されるため,この銅グラファイト電極を用いることとした.円錐穴の加工にはテーパエンドミルを使用し,その他の条件として,加工油には放電加工専用油“メタルワークEDF-K2”(JXTGエネルギー社製)を,被削材には金型材として用いられる“ELMAX”(ボーラー・ウッデホルム社;SUS440C系)を用いて実験を行った. 2.2 ホットエンボス加工による樹脂鋳型の成形 図3に本研究で製作したホットエンボス装置の模式図を,図4に外観をそれぞれ示す.押込み量や荷重の制御を容易にするため,ステッピングモータとエアシリンダを組み合わせて製作した.また,マスター型と樹脂型は独立して温度制御が可能な仕様とするため,温度コントローラとヒータを2セット用意し,真空中で成形可能な装置とした. 樹脂鋳型の材料としては,耐熱性,耐薬品性に優れるPEEKおよび離形性の検証と比較を行う目的で滑り性に優れるフッ素樹脂(PFA)を使用して成形を行った. 2.3 中空マイクロニードルアレイの成形 作製した樹脂鋳型に対し,ペレット状の生分解性樹脂であるポリ乳酸(PLA)を供給し,真空中または大気中で溶融させることによって,中実のマイクロニードルアレイを成形した.さらに成形後,マスター型を使用して再度ホットエンボス加工を行うことによって,中空部を成形し,樹脂鋳型から離型させることにより,中空マイクロニードルアレイを得た. 3.実験結果 3.1 放電加工によるニードルマスター型製作 表1は本研究で実施した放電加工の条件である.15×15mmの面積に対し,1mmピッチ,X,Y方向に10針ずつ計100針のニードルアレイを加工するため,同寸法で円錐穴を加工した電極を作製して加工に用いた.ピーク電流,パルス幅等の電気条件に関しては,繰り返しの加工実験にて得られた最適条件としている.円錐穴を加工した電極からニードル形状を加工するためには,円揺動しながら下降する「らせん揺動」の動作が必要である.そのため,揺動半径によってニードルの形状が変化することが考えられる.そのため揺動半径を0.05mmから0.20mmまで段階的に変化させて,形状の比較を行った.図5はそれぞ - 43 -
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