FORM TECH REVIEW_vol32
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図13(b)は接合された材料の縦断面を示すが,この場合には波状界面を形成して,細管の壁同士は良好に接合している状況が観察された. 図15は,銅の細管中にステンレス鋼の細管を挿入して作製した複合構造のユニポア材の断面写真である.また,図16に示すように,内外の太い銅管の間に銅の細い丸棒とロウを封入したステンレス鋼細管を交互に挿入するこ図11 回収材料の断面12) 図12 シミュレーションによる断面形状予測12) 図13 回収材料の顕微鏡組織12) (横断面(a)と縦断面(b)) とで,複雑な内部構造を持つユニポア材の創製も可能であった13).この時得られた材料の断面写真を図17に示すが,ステンレス鋼の細管がうまく変形して,矩形形状のマイクルチャンネル構造を実現することができた. 図18は矩形に変形したステンレス鋼近傍の顕微鏡組織写真であるが,ステンレス鋼が屈曲した部分近傍の銅が溶融している状況が認められた.数値解析による温度分布を図19に示すが,ステンレス鋼屈曲部周辺の銅に1000℃以上の高温域が生じており,実験との良好な対応関係が確認された. 上記以外にも,細管をらせん状や直交するように配置することなどによっても,多様なユニポア構造を実現することは可能と思われる14).今後,各種の中空構造を有する材料の創製と新しい応用展開を期待したい. 図14 シミュレーション結果の拡大図12) 図15 ステンレス鋼と銅からなる 複合構造のユニポア材13) - 40 -

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