この他,伝熱特性評価を実施して伝熱相関式を構築し,これを活用して10MPaの圧力下でのヘリウムガス冷却(管内流速;25m/s)で,30,000W/m2/Kを超える熱伝達係数が得られ,ガス冷却ダイバーターの候補にもなる得ることが示された11). 図8 高速衝突に伴うユニポア材の光学観察結果9) 図9 高速衝突時のユニポア材の変形シミュレーション9) 図10 三角穴の閉塞過程の変形シミュレーション10) 3.2 その他の材料からなるユニポア材の創製 これまでは,銅に関する実験結果について示したが, 純アルミを用いたユニポア材の創製についても試みた.ここでは,細管の肉厚が0.2mmと1mmの場合についての結果を示す12). ここで回収実験は,図1に示した銅の装置とほぼ同じ装置を使用し,概ね良好な成形体が得られている.回収材料の横断面写真を図11に示す. 実験条件に対応する試料を爆発圧縮成形した時のシミュレーション結果を図12に示すが,回収された材料の断面組織の予測結果は,図11の実験結果とほぼ同様であった.これは,周囲からの高圧力の作用で外側の太い管が加速され,まずは空隙を埋めるように成形が進むことから,容易に推察がつく結果であった.この場合も銅と同様に,長手方向への変形(伸長)もわずかであり,成形前の初期断面積から予測した空隙率よりも,成形後の空隙率が多少小さい値を示す状況であった. 管の肉厚が薄い場合には,激しい変形によって管が伸長され,破断するようなことも生じていた.図13は横断面(a)と縦断面(b)の顕微鏡組織写真を示すが,特に細管の肉厚が薄い(0.2mm)場合に細管が内部に向かって大変形を生じるようなことがあり,図13(a)に示すように,細管が破断している個所が認められた.銅より相対的に軟らかいアルミの場合には,細管が局所的に大変形を生じやすい状況も,図14の数値シミュレーションで確認されている(この場合,破断条件は考慮していない). 図7 銅のユニポア材に関する圧縮試験結果5) - 39 -
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