FORM TECH REVIEW_vol32
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.6R0R0.1 写写真真位位置置 削削除除ししなないい ででくくだだささいい 02 内海 能亜 図1 供試材の形状寸法 表1 機械的性質 導波管はアンテナから集約した電磁波をその管内に流すもので,衛星機体中に張り巡らされているため,直管だけでなく曲げ部も必要となってくる.一般的に,曲がり管はフランジ部を溶接やロウ付けなどで設け,管の端部をボルトでつなぎ合せて衛星に取り付けている.3次元的に曲げ加工された一体型の導波管の適用が望ましく,導波管全体を小型・薄肉軽量化することにより,衛星の本体そのものを軽量化できる.また,電磁波を効率的に伝播させるためには,導波管の断面形状の精度も重要なファクターである. 一方,円管は液体などの流体の伝送経路に適用されている.しかしながら,プラント用の炭素鋼配管では,エロージョン・コロージョンによる配管直線部および曲げ部の配管減肉の問題が指摘されている1).また,熱交換機に適用されている銅管では,内圧下の低サイクル疲労によって,管材の曲がり部の偏肉やへん平化から亀裂が発生しやすくなることも指摘されている2).さらに,構造部材としての管材の金属疲労の懸念もある.円管の曲がり部では一般的に,その引張側では薄肉となるので,他部位に比べ強度不足が依然として解消されないでいる.そして,曲げによる偏肉化は,ひずみ勾配が付く限り解消されない. 曲げ加工では,特に薄肉や小さな曲げ半径の管材において座屈現象である屈服やしわが発生しやすい.また,曲げ加工と同時に発生する断面変形としての偏肉やへん平化などは,断面の形状精度を著しく低下させる.さらに,その材料の持つ変形能を超えた場合に発生するくびれや割れなどの成形不良が問題となってくる.そこで筆者は導波管としての超薄肉方形管3),4) および穴円形部を断面中心から偏心させた偏心管の曲げ5),6) における変形および加工特性について調査した. 2.実験方法 2.1 方形管としての供試材 導波管は規格化されており,材質は銅合金やアルミニウム合金などがある.断面形状は方形管と円管等が主であるがへん平管もある.方形管では小さなもので,断面の外形が1mm以下で,大きなもので500mm以上のものがある.アルミ二ウム合金製の方形管は一般的に押出し加工され1.まえがき 方形管は導波管として人工衛星などに適用されている.0.5101000るが,外形が20mmのものは,肉厚が1.2mmで,それ以下の外形,例えば10mmのものであってもその肉厚は1.0mmの規格で,一般的な肉厚の規格値は1.0~2.0mmほどとなっている. 本研究で適用した方形管は20×10×0.5mmの薄肉管である.方形管の形状寸法を図1に示す.押出し材としては規格にないので,また,押出し加工では薄肉化に限界があるので,市販の円管の押出し材から引抜き加工し,方形断面形状を得たものである.導波管はコーナRの寸法も規格化されているので,それを参考にした寸法とした. 方形管の機械的性質を表1に示す.材質はA6063材の焼なまし材を適用した.導波管は電磁波を流すのが目的であり,構造部材ではないので焼なまし材とした.方形管断面の各辺20と10mmからワイヤカットで試験片14B号を切り出し作製した.各辺の肉厚差は10数μmオーダーであり,また,各数値に差がほとんどなかったので,各辺の試験片3本,計N=6を平均して求めた. 材質 引張強さ σB / MPa 伸び δ / % 耐力 σ0.2 / MPa 加工硬化指数 n* 塑性係数 C* / MPa *σ=Cεn JIS Z2201 A6063-O 91 24 39 0.27* 160* - 15 -変形および加工特性 超薄肉方形管と偏心円管の曲げ加工における

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