FORM TECH REVIEW_vol31
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削削除除ししなないいででくくだだささいい■軽量金属の一つであるチタン(■■)は,高い比強度を有しており,また耐腐食性や生体親和性などに優れることから熱交換器や化学プラント,淡水化プラントのような産業機械,インプラントや人工関節のような医療機器など,幅広い産業分野にて活用されている■■■■.特に,航空機用部材や医療機器などへのチタン材の適用に際しては合金化による高強度化が図られている.チタン合金は,その組織構造によって耐クリープ性能に優れるα型合金,低剛性を発現するβ型合金,強度特性に優れるα■β型合金の■種類に分類される ■■■■.なかでも,α■β型に属する■■■■■■■■■(■■■■■)合金(■■■■■■■■■■■■)は強度と靭性を兼ね揃え,溶接性や熱間加工性も比較的良好な汎用合金である.他に■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■(■■■■■■)や■■■■■■■ ■■■■■■■■■■(■■■■ ■■)などのチタン合金が航空機用部材に採用されている.このようにチタンの高強度化には,バナジウム(■)やジルコニウム(■■),モリブデン(■■),ニオブ(■■)といった高価なレアメタルの添加が必須とされている ■■■■■■■.一方,バナジウムとジルコニウムの需要・供給は年々増加しており,今後も需要の増加が予測されている■■■■■.しかしながら,供給予測に関しては,今後の採掘量の拡大を加味してもその需要予測量に対して不足しており,更なる価格高騰が懸念される.その結果,レアメタルを含むチタン合金の一段の価格上昇を招き,チタン製品の利用が限られる可能性も生じ得る.このような問題を克服する合金設計として,ユビキタス元素の活用が提案されている■■■■■■■■■■.同元素とは,窒素,酸素,水素,炭素,シリコン,鉄のように資源的に豊富で普遍に存在し,安定供給が可能で廉価な元素を指す.但し,溶解鋳造法で作製したチタン(■■)材における窒素成分は,凝固過程においてα■■■結晶粒界に濃化・偏析して延性低下を誘発する.そのため,その含有量は■■■■ ■や■■■■■■■において■■■■■■■■%以下に管理されている.他方,これまでに本研究者らは,粉末冶金法(固相焼結法)を用いて比較的速い冷却速度条件下で■■焼結材を作製することで窒素成分がα■■■結晶内に完全に固溶する新たな製法を確立した.その結果,上記のそれぞれの規格における上限値を越える窒素を含む場合であっても伸び値が ■%を越え,かつ■■■■■■■以上の引張強さを有する純チタン焼結材の創写写真真位位置置■1.まえがき2.実験方法製に成功しており■■■,■■■■■汎用合金の力学特性を凌駕する高強度化および高延性化を実現した.また近年,金属粉末に対してレーザや電子ビームなどを照射して急速溶融・凝固冷却現象を促して複雑形状部材を直接作製できる積層造形法(■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■)が国内外で注目されている.本製法では,高エネルギー密度の熱源を金属粉末に対して局所的に付与するため,極めて大きな冷却速度を発現する.著者らはその点に着目し,上述した粉末冶金法による■■結晶内への窒素原子の固溶現象を■■法に展開し,窒素原子の均一固溶化の可能性を検討した.具体的には,選択的レーザ溶融法(■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■)を用いて窒素供給源となる■■■粒子と■■粉末からなる■■■■■■混合粉末を出発原料として窒素固溶■■積層造形体を試作した.■■■法では,原料粉末を造形ステージ上にリコータブレードで供給し,所定の厚さのもとで粉末をパウダーベッドに均一に敷き詰める.その際,ブレードから原料粉末に対してせん断力が作用する.これにより■■■■■■混合粉末において■■粉末表面に機械的に結合した■■■粒子が脱落し,■■■粒子の分離・偏析現象によって造形体内にて■■結晶粒界近傍に窒素成分が濃化するといった課題を伴う.そこで,上記の混合粉末を用いることなく,■■表面に窒化物皮膜を形成した独自の■■■■■■■■■■構造■■■■粉末■■■を開発し,これを出発原料として上記の課題解決を目指す.本論文では,■■■■■■■■■■構造■■■■粉末と純■■粉末との混合比率の調整によって窒素含有量が異なる積層造形体を作製し,結晶組織解析と力学特性評価を通じて強化機構を定量的に解明している.特に,高濃度窒素含有■■積層造形体において,結晶粒微細化による粒界強化と固溶強化に着目し,後者に関しては著者らの既往研究成果に基づき,固溶強化モデルの一つである■■■■■■■モデル■■■の適用による強化量の予測結果について論じている.■■■■■■■■■■構造■■■■粉末の作製とその特性 ■■Ti-N平衡状態図によれば,α-Ti相には最大23at.%の窒素原子が固溶できることから窒素ガス雰囲気でTi粉末を熱処理して窒素成分を含むCORE-SHELL構造Ti-N粉末の作製を試みた.具体的には,窒素ガスを導入した雰囲*大阪大学 接合科学研究所 教授K. Kondoh- 90 -近藤 勝義*近藤勝義■■■■■■■■■■構造粉末を用いたレーザ積層レーザ積層造形チタン材の強化機構の解明造形チタン材の強化機構の解明CORE-SHELL構造粉末を用いたReview

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