図3は,得られた■線透視画像を■■■■間隔で抜き出した画像である.■■■■■■では,レーザ照射位置付近に X線透視観察は,レーザ出力P = 250 W,粉末試料トレーの送り速度v = 10mm/sの条件について実施した.X線照射条件は,X線透視画像において最も色の差異が明瞭になった,管電圧160kV,管電流90 Aとした.X線透視像3.点照射における溶融挙動の解析■■■発生したX線を試料に照射し,試料を透過したX線をイメージインテンシファイヤで可視光領域に変換した画像をCCDカメラで取得する.金属粉末溶融装置は,真空チャンバ内に,直線移動する機構を付けた粉末試料トレーを導入し,チャンバ外に固定したレーザヘッドからレーザを粉末床に照射する機構とした.また,試料にX線を照射し,透過したX線をCCDカメラでとらえるため,真空チャンバの両側面にX線吸収率の低いBe窓を設置した.真空チャンバには,ターボ分子ポンプおよびアルゴンガス配管を接続することで,低酸素濃度の雰囲気管理を可能とした.これにより,点状あるいは線状にレーザを照射した時の金属粉末の溶融挙動を再現し,粉末床の飛散や掘削,溶融池形状の変化などの動的な挙動を捉えることができる.レーザは,波長が1070 nmで最大出力が500Wのファイバーレーザ(ASDIJ256-R07P:Furukawa Electric Co.,Ltd.)を用いた.粉末試料トレーは,長さ130 mm×深さ13 mm×厚さ5mmのアルミニウム板の130mm×5mmの面に溝加工を施し,溝の中に厚さ3mmの粉末を充填する構造とした.図 粉末床の溶融挙動観察装置の模式図. ■ 開発装置で得られる■■■の溶融挙動の■線透視像PBFの溶融挙動のX線透視像を図3に示す.ここでは,形状などから判別のしやすいボーリング現象を観察対象とした結果を紹介する.供試材は,Ti6Al4V合金のガスアトマイズ粉末で,粒子サイズが45m以下に分級されたものを用いた.粉末は,粉末試料トレーをタップしながら充填した.は,画像処理ソフトウェアImageJを用いて輝度から溶融部,粉末床,雰囲気の領域を分離し,溶融部の形状を解析した.つほど小さい溶融凝固部がみられたが,■■■後にはボールが一つに合体し,さらに大きな紙面向かって右側の球体に引き寄せられるように合体していることがわかった.このほか,キーホールが生じたり,レーザ照射部に球状の溶融凝固部が引きつけられてボールが成長したりする様子が観察された.図■出力 ■■■■■■移動速度■■■■■■■■の時の球状の溶融凝固部の合体過程(■■■)および■■■の溶融凝固部を縁取りした模式図(■■■).ff■■■■■発生時,ff■■■■■■発生後■■■■,ff■■■■■■発生後■ ■■■,ff■■■■■■発生後■■■■■,ff■■■■■■発生後■■■■.■■■背景と目的ここでは,レーザを1点照射した時の粉末床の溶融過程を解析した成果を紹介する.時間を考慮する必要があるためと考える.たとえば低走査速度,低レーザ出力の条件下では,特定のエネルギーを供給するのに長い時間を必要とする.その結果,溶融が遅れたり,熱拡散時間が長くなったりするなど,時間と共に溶融挙動が変化することになる.このように,様々な造形条件に対する溶融挙動の時間変化を捉え理解することで,最適なプロセス設計の実現につながる.レーザ照射時間は,PBFプロセスでは,走査速度によって変化させるが,レーザを走査すると,レーザ入射角,熱伝導の方向等も変化する.そのため.それらの影響を排除できる1点照射の溶融挙動を解析対象とした.また,溶融挙動を解析するためには,X線透視で観察されるレーザ照射点の温度情報が必要である.そこで本研究では,X線透視法と二色温度計の同時測定によるレーザ点照射時における溶融過程の解明を目的とした.均質に敷設したTi6Al4V粉末に対し,レーザ点照PBF-LB/Mは,LEDだけでは造形物の品質を制御することが難しく,これは特定のエネルギーに到達するまでの- 61 -
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