図6(b)に示す軸戻し実験では,結合品を上下逆さにし,軸部品に結合時とは反対方向に荷重を負荷して押し抜く.こ図5試験片寸法図8結合荷重と軸戻し耐荷重の関係図7結合荷重と結合ストロークの関係Nk[ daol foorp nruter tfahS[ tnemecalpsid gninioJ①②②①]BA]0mmCD4.実験結果3020106020■■■結合ストローク塑性流動結合においては,結合品の寸法精度を担保するため結合時に必要な軸の押込み量(結合ストローク)は小さい方が望ましい.図7に図3(a)で示した従来のパンチレス塑性流動結合法(穴部品のみ段付き)と提案する手法AからDを用いて硬度差の無い2部品を結合した場合の,結合荷重30kN,45kN,60kNを負荷するのに要した結合ストロークを示す.提案する手法はいずれの条件においても従来法(硬度差無)に比べて小さな結合ストロークで目標結合荷重を得ることが可能であった.硬度差の無い材料の組合せでは軸,穴部品ともに結合部で塑性流動が生じる.従来法(硬度差無)では,軸部品端部は外径が拡大するように塑性流動し,穴部品内面とのすき間が充填されて変形が拘束される.しかし,穴部品の段付け下部が縮径する塑性流動は拘束されず,自由に変形できる.一方で,提案する手法は両部品に段付け加工が施されているため,両部品の塑性流動はどちらも部品間のすき間を充填して変形が拘束される.このように塑性流動による変形が拘束されるか否かによって必要な結合ストロークに差が生じたものと考えられる.■■ 結合強度ff軸戻し耐荷重■図8に従来のパンチレス塑性流動結合法(穴部品のみ段付き)と提案する手法AからDを用いて硬度差の無い2部品を結合した場合の,結合荷重と軸戻し耐荷重の関係を示す.なお,従来の硬度差を有するパンチレス塑性流動結合(S45C軸部品+A5056穴部品)の先行研究14)の結果を併せて示す.実験した中で最も結合荷重の小さい30kN(このとき段付け加工部に生じる公称面圧は約661MPa)の場合,従来手法(硬度差無)の軸戻し耐荷重は非常に小さく,1.02kNしか得られなかった.一方で,提案する手法では最も軸戻し耐荷重の低かった手法C,Dでも2.8kN以上であり,従来法(硬度差無)の2倍以上の強度が得られた.また,提案する4つの手法を比較すると,結合溝の無い手法Aと結合溝を有する手法B,C,Dの差は小さく,結合荷重30kNでは軸戻し耐荷重に及ぼす結合溝の影響はほとんど見られなかった.結合荷重45kNの場合,結合溝の影の時,軸部品が穴部品から抜け始める荷重を結合強度(軸戻し耐荷重と呼ぶ)とした.Conventional (S45C+A5056)Conventional (without hardness difference)Method AMethod B(Shaft has groove)Method C(Ring has groove)Method D(Both have groove)304050Joining load[kN]Shaft return load FrReturn punchReturn jigSupportdiscPressure padLoad cell(b)Return setup図6試験片および治具のセットアップJoining load FjShaftRingPositioningjigPressure padLoad cell(a)Joining setup(A) Shaft(B) RingConventionalMethod AMethod BMethod CMethod D2.01.81.61.41.21.00.80.60.40.20.030A’: When the shaft has a grooveB’: When the ring has a groove45Joining load [kN]Joined parts607080A’B’- 46 -
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