FORM TECH REVIEW_vol31
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削削除除ししなないいででくくだだささいい■摩擦攪拌点接合(以下,■■■■)は,例えば自動車製造において,非鉄金属の使用が増大してきている等の理由から,従来の抵抗スポット溶接に代わる技術として注目されてきている.■■■■の特徴として,固相接合であるため変形が小さい,接合困難な ■■■系や■■■■系のアルミニウム合金あるいは複合材,異種材料の接合に適しているなどがある.これらの特徴を活かして,さらなる利用拡大を図る際,■■■■に求められる性能として,まず,継手の機械的性質の向上が挙げられる.その方法として,ツール形状の変更は有力な手段の一つであると考えられる.■■■■における接合原理は,ツールの回転によって摩擦熱を発生させ,被接合材料を軟化させながら塑性流動させることによって一体化するものである.そのため,近年では接合材料の塑性流動に関する報告が多くなってきている.ここでも,塑性流動を積極的に発生させる存在がツールであることから,■■■■においてツールが重要な意味を持つと考えられる.■■■■用ツールにおいて,一般的なツール形状は,プローブと呼ばれる突起部とショルダと呼ばれる平滑部を有する円柱状である.この中で,主にプローブ部と接合材料との摩擦により,接合材料内に塑性流動が発生するとされており,塑性流動性にはプローブ部の形状が大きな影響をおよぼすと考えられる.また,接合材料の塑性流動は主にせん断変形によるとの報告がある■■.これらのことから,■■■■用ツールのプローブ部には,効率的な変形により塑性流動を発生させるような形状が望ましいと考えられる.一方で,ツールすなわち工具を用いて材料を加工する方法として,切削加工がある.切削加工は工具を用いて被削材をせん断変形させることにより,切りくずを生成する除去加工であるが,工具が切りくずを生成するまでの過程は,■■■■でもほぼ同様であると考えられる.切りくず生成後,切削工具においては積極的に切りくずを排出するが,■■■■においては切りくずつまりのような状態となって攪拌が写写真真位位置置■1.まえがき2.実験方法 ■■供試材料表■接合材料の化学組成ff■■■■進行するものと考えられる.そこで,本研究では,せん断変形を効率的に発生させるため,プローブ形状に切削工具の知見を取り入れ,すくい角に相当する角度が正角となるようなツール形状を提案する.これらツールは,これまでの円柱型プローブツールとは全く異なる塑性流動状態となることが考えられる.そのため,接合材料の塑性流動にともなう継手の組織形状を特徴づけるため,組織形状パラメータを定義し,これらを測定することによって,ツールが塑性流動状態におよぼす影響を定量化することを試みた.また,この塑性流動状態と継手の機械的性質の関係を明らかにすることを目的とした.本研究において,接合材料として使用したアルミニウム合金は,■■■■ ■■■■(以下,■■■■ )および■■■■■■■■■■(以下,■■■■■)である.化学組成を表■に示す.材料の寸法は,長さ■■■■,幅 ■■■,板厚■■■■■の■■■■ および長さ■■■■,幅 ■mm,板厚■■■の■■■■■とした. ■ 摩擦攪拌点接合方法■■■■の接合条件は,ツール回転速度を■■■■,■■■■,  ■■および■■■■■■■と変化させ,■■■■■■■■速度 ■■■■■■,■■■■■時間(■■■■■■■■後の位置保持時間)■■およびショルダ部■■■■■■■■深さ■■■■■とした.接合方法は,上板を■■■■ ,下板を■■■■■アルミニウム合金とし,重ね代を ■■■として,その中心に接合を行う重ね合わせ継手を作製した. ■■摩擦攪拌点接合ツール■■■■に使用したツールは,■■■■■を機械加工して所定の形状にした後,熱処理を行って,硬さを■■~■■■■■としたものを用いた.ツール形状を図■に示す.ツールはショルダ直径■■■■およびプローブ長さ ■ ■■で,プローブの断面形状が異なるものを使用した.プローブ断面形状が三日月形で切り欠き部分が大きいもの(以下,■■ツール),*近畿大学 工学部 機械工学科 教授- 39 -A. Ikuta切削工具を応用した摩擦攪拌点接合ツールの切削工具を応用した摩擦攪拌点接合ツールの塑性流動状態の解明塑性流動状態の解明生田 明彦*生田明彦Review

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