FORM TECH REVIEW_vol31
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■■ 4.摩擦攪拌点線接合 参考文献 謝■辞■が表層から強く入ることが常用であると思われる.中央部はツール中央であり,周速が低いにも関わらず,かなり攪拌され,全体的に微細化が進んでいる.試験中の外観から,鋼材のFSWに見られる攪拌部の赤熱などは見られず,比較的低温での加工にも関わらず,十分な攪拌により接合が可能であると思われる. 図■■■EBSD観察(ツール非接触部) 図■■■EBSD観察(攪拌部の外周から半径1/4の位置) 図■■■EBSD観察(攪拌部中央) FSWによるマイクロ接合の基礎的知見を得るために,板厚0.1 mmの薄板(SUS304)について,摩擦攪拌突合せ点接合を行った.その結果,以下の知見を得た. (1)接合に成功した場合,攪拌の開始を示すと考えられる接合中の荷重上昇が発生した.一方,不成功時では,初期本研究において,ツールへの凝着は接合に対して重要な要因となる.本報告では省略するが,過度な凝着を防ぐにはSUS304との親和性の少ないツール材料を選ぶことによって,成功率を高めることができる.実際,タングステンのツールを使うことで適度な凝着を起こすことにより,過攪拌による破れを軽減できることが分かっている.これによる適切な接合条件により,図17のように突合せ線によって移動した結果,ツールの押し込みによる更なる厚み低下によって面内に延び,凹凸はできているが,線接合にも成功している. 図■■■本提案手法にによる0.1mm薄SUS304板の線接合 5.結言■荷重が低い場合,荷重上昇及び突き合わせ面の変形は,見られなかった.初期荷重が高過ぎる場合は,荷重上昇は見られたが,接合部中心に欠落が生じた. (2)回転数が上昇するほど初期荷重が低い条件においても接合に成功した. (3)初期荷重および回転数がいずれも高い場合に高強度が得られた. (4)接合部のマクロ試験の結果,接合部における金属組織の攪拌および結晶粒の微細化を確認した. また,適切な接合条件およびツール材質の選択により,線接合にも成功している. 1) 編者■社団法人■溶接学会■発行者■馬場信:摩擦攪拌接合―■■■のすべて―,( ■■■) 本研究は,公益財団法人天田財団からの一般研究助成により実施した研究に基づいていることを付記するとともに,同財団に感謝いたします.また,試験実施において,共同研究を実施して頂いた香川県産業技術センター■新名氏,福井大学■大津雅亮教授にも感謝致します. (a)IPF (ND) (b)Phase (c)KAM (a)IPF (ND) (b)Phase (c)KAM (a)IPF (ND) (b)Phase (c)KAM - 15 -

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