図13引張試験片図14に引張試験の結果を示す.接合に成功した場合,初期荷重および回転数はいずれも高い場合に高強度が得図16~18に非攪拌部(初期材と同様の組織),撹拌されているところの外周から半径1/4のところ,撹拌中心のEBSD観察結果を示す.初期は10µm超の平均粒径であり,赤色のγ相,KAM値も低い値となっている.が,半径1/4および中央では,撹拌により,加工誘起変態によってα相■■■接合部の引張試験接合強度を調べるため,接合に成功したものに対し,図られた.このことから,初期荷重と回転数が低い条件では,摩擦入熱の低下などで攪拌が不十分になり,接合強度が小さくなると考えられる.供試材の引張試験結果から撹拌直径が1.5mmとして肉厚1 mmと仮定したときの引張強さは約100Nであり,実際にはツールが押付け・攪拌されて薄くなっていることを加味すると,適切な条件で同様もしくはそれ以上の接合強度が得られていると考えている.図■■引張試験による接合強度■■■接合部の断面観察接合に成功した試験片に対し,その断面観察を行った結果を図15に示す.マクロ試験の結果,接合前の突き合わせ面は確認されず,接合部では,攪拌により結晶粒が微細化していた.また,その近傍では,微細化までには至っていないが,結晶粒界が板厚に対してせん断方向に伸びており,鉛直方向に押しつぶされ,攪拌されている様相が表れていた.ツールの球頭部に接触していたと思われる箇所では,結晶粒が徐々に大きくなっていた.以上のことから,金属組織が攪拌され,供試材の突き合わせ面が接合していることが確認された.13の試験片を切り出して,引張試験を行った.になり,KAM値も大きくなり,微細化が進行しているのが分かる.ただし,撹拌部1/4のところでは,上面付近のみに大きなひずみが入っており,内部は結晶粒が変形しているもののひずみ量としては小さい.接合強度が高いものについては,裏面(図下面)でもひずみが大きくなっており,ツールおよび裏当て材との摩擦によるねじれのせん断- 14 -(a) 工具非接触領域(初期組織と同じ)(b) 接合部(攪拌による微細結晶粒化)(c) 接合部(少ない攪拌)(d) ツール先端(平坦部)接触周辺図■■接合後試験片のSEM断面観察
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