■■■■■■■■■■■■■■■■■図3.全正常分ZBLANファイバーレーザー出力特性図1.シリカガラスとZBLANガラスの図4.モード同期発振スペクトル図2.全正常分散Tm:ZBLANファイバーilWm[ rewop tuptuo■]10ytisnetni dezamroNZBLAN(ZrF4-BaF2-LaF3-AIF3-NaF)ファイバーを利用することによって、波長2µm帯での全正常分散モード同期レーザーによる高エネルギー動作を可能とし、フェムト秒レーザー加工を行うことを目的とした。まず本研究で利用したZBLANファイバーの特徴について述べると、ZBLANファイバーは波長~4μm帯まで光を透過できることから~3µm帯中赤外レーザーに使用され、またフォノンエネルギーが低いことから可視域のPrやEr添加ファイバーレーザーにも利用されてきた。機械強度が低く潮解性を有していることから、取り扱外難しいと考えられてきたが、近年その品質も改善し、製品への利用もなされるようになっている。本研究において特に重要な特徴は、その分散特性であり図1に示すようにZBLANファイバーは波長2µm帯でシリカガラスに比べて遥かに小さな材料分散を示し、コアの開口数を0.2程度とすると、ファイバーコア径を直径~6.4µm以下とすることによって、構造分散によりトータルの分散値を正常分散とすることが可能となる。材料分散の比較実験装置の概略を図2に示す。共振器は図中半時計周りのリング共振器を採用した。利得ファイバーには長さ1.3m, Tm添加濃度10,000ppm, コア径6.2±0.2μm,NA 0.2のTm:ZBLANファイバーを採用し、計算値で19040±6160 fs2の正常分散を有している。実効的なモード径は7.4µmであり一般的なシングルモードファイバーと同程度である。両端面には熱的影響を緩和するため同コレーザー実験図アサイズ、NAを有する無添加ZBLANファイバーを機械的に接合し(接合損失~0.3dB)、その端面はアングル研磨されておりフレネル反射による寄生発振も抑制している。励起光源には1.55μmのEr:Y fiber laserを用いたが800nm帯のLDを用いることも可能である。自由空間中にはλ/4板、λ/2板、アイソレーター(PBS-FR-PBS)、λ/4波長板を挿入し、波長板の角度を調整することによって非線形偏波回転による変調機構が発生しパルス発振が得られる。このとき全正常分散レーザーではソリトンパルスとしての定常状態が存在しないため、バンドパス―フィルター(中心波長1870nm,バンド幅35nm, 最大透過率84%)を用いることによって、共振器一周毎のスペクトル形状を定常化し、安定したモード同期発振を得ることが可能となる。レーザー出力はアイソレーターの入力側のPBSより取り出しており、その出力特性を図3に示す。励起出力が270mWを超えたところからモード同期発振が得られ。出力は励起光とともに増加し、励起出力410mW時に最大出力64mWにおいて図4に示す最大スペクトル幅80nmが得られた。このときスペクトル形状はキャットイアー(猫の耳)型と呼ばれる全正常分散モード同期レーザーの特徴を示した。繰り返し周波数は75MHzでありパルスエネルギーは0.9nJである。最大出力時に測定された自己相関波形を図5(a)に示す。6560555045403530250.80.60.40.2- 89 -250300pump power [mW]3501820184018601880190019201940Wavelength [nm]CWmode-lock400■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■ffμ■■■■ ■■ ■■■■■■■■ ■■ ■■ ■ ~80 nm
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