2.実験方法 ・ 接合材の断面評価及び接合強度測定接合材の断面評価については,切断及び研磨後,日本電子㈱製走査型電子顕微鏡JSM-6010LA(エネルギー分散型X線分析(EDS)装置付属)を用いて行った.強度試験として,JIS Z 3136にしたがって引張せん断試験を,JIS Z 3137にしたがって十字引張試験を㈱島津製作所製オートグラフAG-10TBを用いて実施した.引張速度は0.08mm/sとした. ・■窒化珪素の耐久性評価評価対象を,市販の窒化珪素球3種と東芝マテリアル(株)で開発した摩擦アンカー接合用球の合計4種とした.接合ツールの寿命評価を行うための供試材として,300mm×200mm×3.2mmのSPCCを用いた.この供試材にStir in Plateを行った後,レーザ変位センサー(㈱キーエンス製LK-030)を用いて窪み部の断面形状測定を行った.これは試験片側の窪み形状を測定することによりツールの摩耗状況を推察することを目的としている.また,適当な打数のStirin Plate後に,30mm×80mm×1.0mmのSPCCの重ね点接合を行って引張せん断試験片を作製し, ・ (接合材の断面評価及び接合強度測定)と同様に引張せん断試験を実施した.なお,接合条件は,ツール押込量:1.6mm,接合時間:2.5秒とした.に抑制されていることが分かる.図5陽極酸化A1100/GA接合材の断面SEM写真■■■■■■■■■■■(ツール押込量1.5 mm) ■■ 接合強度図6にツール押込量と引張せん断強度及び十字引張強度の関係を示す.ツール押込量1.8mmの条件で,引張せん断強度は約1.2kN,十字引張強度は約0.55kNに達している.また,図7にはA5052とGA鋼の接合強度評価結果を示す.ツール押込量1.8mmの条件で,A5052とGA鋼の接合材では引張せん断強度約2.6kN,十字引張強度約0.8kNであった.■究では,摩擦アンカー接合ツール用材料として用いている窒化珪素球の耐久性向上についても取り組んだので,その結果についても併せて報告する. ・■供試材料及び接合方法供試材としては,表面に陽極酸化処理を施したアルミニウム合金A1100(厚さ1.0mm,被膜厚さ10µm,以下,陽極酸化A1100とする)と合金化溶融亜鉛めっき鋼(厚さ1.2mm,めっき厚さ8µm,以下GA鋼とする)を用いた.供試材の形状は,引張せん断試験用は30mm×80mm,十字引張試験用は30mm×150mmとした.そして図3に示すように,上側に陽極酸化A1100,下側にGA鋼を配置し,先端に窒化珪素球を埋め込んだ接合ツールを用いて,エアシリンダ上にセットした供試材を回転する接合ツールに押し込むことで接合した.使用したエアシリンダは最大12kNの垂直荷重を発生させることができる.接合ツールは,図4に示すように,先端の球径がφ12.7mmで鋼製ホルダーからの突出量は5mmとした.また接合条件は,ツール回転数1500rpm,ツール押込量1.1~1.8mm,接合時間2.5秒とし,シールドガスは用いなかった.なお,本実験での接合時間はエアシリンダにエアを供給している時間を意味する.図3摩擦アンカー接合用装置概略図図4■摩擦アンカー接合用ツール外観■■■■■ff■■■上面より3.結果及び考察■■■接合部の断面図5に,ツール押込量を1.5mmとして接合した材料の突起部近傍の断面SEM反射電子像を示す.図2のA5052/GA接合材の突起部近傍と比較すると,鋼突起の高さ,ひだ形状は改善され,金属間化合物層生成は大幅鋼鋼ホホルルダダーーセセララミミッッククスス球球ff■■■側面より■■■■■■■■■■■100μm5 mm5 mmGAA1100- 28 -
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