図9ミスト供給方式レーザ誘起湿式表面処理システム像MESlAOlAeF像MES100 μm4.おわりにコンプレッサ溶液タンクノズルノズルミストドライヤの概略ステムの概略未処理材未検出レーザユニット光学系試験片試験片ステージる.形成された改質層の中には空孔はほとんど認められない.改質層の厚さに注目すると,ミスト供給方式を用いて処理を施したMDシリーズの厚さは,浸漬方式で処理を施したSDシリーズよりも薄い.これは,溶液をミスト状にして供給した場合には,連続的供給されるミストにより試験片が冷却され,レーザ照射領域内での反応が抑制されたことから溶液由来の成分の拡散が起こりにくくなったためものと考えられる.形成された被処理面の耐摩耗性の検討を行うため,均質な改質層が形成されたMDおよびSDシリーズと未処理材に対して,往復摺動式の摩擦摩耗試験を行った.このときの試験条件は■■■節で示したものと同等である.試験により形成された摩耗痕に対して,■■■による観察および■■■による分析を行った.その結果を図17に示す.同図より,■■および■■シリーズの試験片表面に形成ささの■■■■■■■層が形成されているためと考えられる.このに対し,ナノインデンテーション法(先端角■■■°バーコビッチ型圧子,試験荷重■■■■)により,押し込み硬さを求めた.その結果,未処理材の押し込み硬さは■■■■■■■■■,■■シリーズのそれは■■■■■■■■■■および■■シリーズでは■■■■■■■■■■であった.このことから■■および■■シリーな影響を及ぼしていないことも明らかとなった.また,■■シリーズと■■シリーズに形成された摩耗痕を比較すると,その幅は後者の方が狭いことがわかる.また,■■および■■シリーズの摩耗痕に対する■■■分析の結果より,■■シ■■シリーズのそれには確認できないことがわかる.すなわち,■■シリーズに対して摩擦摩耗試験を行った場合にれた摩耗痕の幅は,未処理材のそれよりも狭いことがわかる.これは,レーザ照射を施した両シリーズの表面に高硬ことについて検証するため,それぞれの試験片表層の断面ズに形成された改質層は,未処理材と比較して高硬さであり,溶液供給方式の違いは形成される改質層の硬さに大きリーズの摩耗痕上にはアルミ二ウム成分が残存しており,は,アルミニウム成分を含んだ改質層が完全に除去され,基材が露出し,摩耗が進行したものと考えられる.この点を解決するためには,より厚い改質層の形成が必要と考えられる.今後は,液滴の寸法の制御やミスト供給量の最適化など,処理条件の詳細な検討が必要と考えている.本研究では,レーザ誘起湿式表面改質法を提案し,オーステナイト系ステンレス鋼SUS316L材を硝酸アルミニウム水溶液に浸漬させた状態でレーザ照射を施し,SUS316L材の耐摩耗性向上を試みた.以下に得られた知見を示す.1)硝酸アルミニウム水溶液に浸漬させたSUS316L材に対してレーザ照射を施した結果,溶液由来のアルミニウムおよび酸素成分を含んだ改質層が形成された.図15ミスト供給方式レーザ誘起湿式表面処理シ図16ミスト供給および浸漬方式によりレーザ照射処理を施した試験片の縦断面に対するSEM観察およびEDX分析結果図17ミスト供給および浸漬方式により形成された被処理面の摩擦摩耗試験後の摩耗痕に対するSEM観察結果MDシリーズSD シリーズ10 μm試験片10 μm試験片MDシリーズSDシリーズ- 103 -
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