図1レーザ誘起湿式改質処理システムの概略図1改質処理システムの概略331φ1510 μmFrictionwidthFriction speedSliding distancebath- 99 -Loadspecimen0.1 N3mm300 mm/min54000 mmレーザユニット試験片ステージ構を利用して試験片上面からの液面高さを1 mmに設定した.また,レーザ照射に伴い,溶液が蒸発し,液面高さが変化するため,溶液浴には液送ポンプを接続し,液面高さが一定となるようにしてある. ・■レーザ照射条件及び照射面の評価方法本研究では,試料表面への入熱量の影響について調べるため,レーザのデフォーカス量を変化させて実験を行った.レーザ照射条件の詳細を表2に示す.レーザ照射後,SEMを用いて試験片表面の観察および元素分析を行った.また,照射面から深さ方向への拡散層の拡がりを観察するため,照射面を切断し,SEMにより断面方向の元素分析を行った.さらに形成した拡散層内のAl成分,Fe成分,O成分の状態について検討するため,X線回折法(XRD)により構造解析を行った.表2レーザ照射条件つぎに被処理面の耐摩耗性を調べるため,往復摺動式摩擦摩耗試験機を用いて摩擦摩耗試験を実施した.往復摺動方式の摩擦摩耗試験の模式図を図3に示す.また,試験条件を表3に示す.試験中には,試験機に搭載されたロードセルにより摩擦力を測定し,摩擦係数の推移を測定した.Wear trackSpecimen図3摩擦摩耗試験の模式図 図2レーザ走査パターン試験後は,SEMを用いて摩耗痕を観察し,各試験片の摩耗特性について検討を加えた.摩擦摩耗試験には,デフォーカス量を0,1,2 mmとしてレーザ照射を施した試験片のほか,比較として,レーザ照射を施していない試験片と純水中でレーザ照射を施した試験片を用いた. ・■傾斜面および円筒面へのレーザ照射実験本研究では,実製品への適用のため,複雑形状に対して処理を施すことを想定し,レーザ照射角が被処理面に及ぼす影響について検討した.その後,照射角の影響を考慮して円筒面へのレーザ照射処理を行った.図4のように処理システムの傾斜治具に試験片を取り付け,溶液に浸漬させた状態でレーザ照射を施した.レーザ照射角が90, 80, 70, 45 degとなるよう,0, 10, 20, 45 degの傾斜を有する治具を金属粉末床積層造形装置によりそれぞれ製作した.このときデフォーカス量が改質面に及ぼす影響について検討するため,0.25~1.2 mmまでデフォーカス量を変化させてレーザ照射を施した.さらにφ15 mmの円柱形状のSUS316L材を切り出し,図5に示すように液中処理システムに固定した.図6に示すレーザ走査パターンにてレーザ照射を行い,処理面の表面粗さの評価を行った.レーザ照射条件については表2と同様の条件を用いた.図5円筒面へのレーザ照射図6円筒面へのレーザ実験の外観■■■■■■■■ 走査パターン表3摩擦摩耗試験条件図4傾斜面へのレーザ照射実験の外観LoadSapphire pinTreated areaaslopejig (45deg)bathlaserunitspecimenLaser irradiation areaWavelengthPulse widthRepetition frequencyPowerScan rateFocal distance溶液1SpecimenScanning line1064 nm100 ns35kHz9 W50 mm/min30 mm0.010.010.010.01
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