手にしているのが目の前の大型レーザーと同程度パワーのマイクロチップレーザー(セラミックレーザー)成功していたがため、Yb系レーザ開発に舵を取るのが後手に回ってしまいました。この様に技術革新は、技術格差を引き起こし、そこに新たなビジネスチャンスを創ることができます。ところで技術は常に進歩していることからゲームチェンジの可能性はまだまだあります。そのような事から天田財団は、新たなレーザ装置が新たなレーザプロセスの道を拓くと判断し、「加工用レーザの開発」の項目を加えました。天田財団の研究開発助成の成果は、毎年、助成終了後に「天田財団助成研究成果報告書」として出版されています。Vol. 23(2010年発刊)からVol. 31(2018年発刊)までの9年間に掲載されました152件のレーザプロセッシング分野の助成研究成果報告書から選定し、それらの成果と共に最新の情報と合わせて『FORM TECH REVIEW』への論文執筆をお願いしました。『FORM TECH REVIEW 2019』の発刊はレーザプロセッシング分野としては第5巻目になります。「レーザの開発と加工への応用展開」と題しましてファイバーレーザー、レーザーピーニング、ナノ加工、3次元ビーム加工、セラミックレーザー、半導体レーザーによるプロセスを主題にレーザとその応用を中心とした研究開発を選定致しました。表題の特集テーマにはこれらの論文だけで尽くされるものでは決してありませんが、レーザプロセッシングの多様性と可能性を読み取って頂けるものと考えます。読者各位には本誌の論文に興味を持たれ、レーザプロセッシング分野の発展にご貢献頂くと共に、天田財団の研究助成に積極的に応募頂ければ幸いです。レーザの開発と加工への応用展開にかかる新たな技術革新、そしてイノベーションの契機を皆さんと共に切り拓きたく願っております。- 64 -
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