図11 に透過率0.5%出力鏡を用いたときの出力特性を示す。0.9W励起時に出力130 mW,パルス幅72 fs (図12a)、繰り返し周波数95 MHzのパルス発振が得られた。スペクトル幅は約67 nm(図12b)、中心波長2108 nmであり、カーレンズモード同期がかかった瞬間に50 mW程の出力増 図■■■ファイバーレーザー励起■■■■■ ■■■レーザー実験図 図■■■カーレンズモード同期■■■■■ ■■レーザー出力特性 図■■ff■■■■■■■■■■ ■■誘導放出断面積、ff■■■■■■■励起と表1■各種レーザー利得媒質の比較 Table 1. Comparison of laser gain media )2mc/12-^01( eWm( rewop tupuO)t 0 図10に実験装置概略を示す。共振器は非点収差補正Z型共振器を用いており、励起光源には1611 nm Er,YbファイバーMOPA(直線偏光、狭線幅) を用いた。利得媒質は長さ3.7 mm、1%添加のTm:Sc2O3結晶をブリュースタ角で用いた。凹面鏡は曲率100 mm、高反射コート1850-2300 nmを有している。エンドミラーは分散補償鏡とし分散補償を行い、出力鏡(OC)は透過率0.5%, 1%、2.5%@2000-2300 nmの3種類を使用した。 σ 5.モード同期■■固体レーザー■■■■ ■■一般に非熱加工などを行う際にはサプpsレベルのパルス幅が望ましいが13)、このレベルのパルス幅でμJ~mJを超える高いパルスエネルギーを発生させるためには利得媒質にファイバーではなく固体媒質を利用することが必要となるが、得られる出力特製は使用する利得媒質に強く依存する。 本研究では利得媒質に Tm3+:Sc2O3結晶を用いたモード同期レーザーの開発を行った。使用した Tm3+:Sc2O3の特徴を幾つか上げると(表1)、①Tm:YAGなどと比べ、レーザーの上準位寿命が1/3程度と短く蛍光断面積が大きいため比較的にエネルギーを取り出し易い。②波長2100~2170nmという一般的なTm、さらにはHo添加媒質よりも長波長帯において広帯域な利得を有している(図9a)。この波長域は水の吸収が少なく、さらに長波長中赤外(~4-12μm)に波長変換する際に変換用の非線形結晶中の多光子吸収を低減させる上でも有用である。③Cr:ZnSなどと比べて3桁大きな上準位寿命を有し、さらに非線形屈折率は5分の1程度であることから、増幅器として用いた場合出力スケーリングに優れる可能性が高い。■■ またTm添加モード同期固体レーザーは励起光源として800nm帯のTi3+:Al2O3レーザーが用いられてきたが、本研究では新しく波長~1600 nmファイバーレーザーによるin-band励起システムを開発した(図9b)。本励起システムの特徴を述べると、①従来の800 nm 励起では交差緩和過程を伴う量子効率 2の励起プロセスを効率的に発生させるため高濃度のTm添加が必要とされ、単位体積あたりの発熱量増加や非線形な緩和過程の発生が問題となっていたがそれらが抑制される。②LD励起と比べると安定で高い空間励起ビーム品質が得られ、カーレンズモード同期が■■■■■■■■■■■■■励起の違い■■得られ易くなる。また従来モード同期発振器に用いられていたTi:Al2O3励起と比べても安価で高効率・高出力・高安定な励起光が得られる。③励起ファイバーレーザーの改良により高エネルギーパルス励起なども可能となる。我々はこれらの特徴より従来のシステムでは得られなかったカーレンズモード同期レーザーによる超短パルス発生を目指した。 12108642018001900200021002200wavelength (nm)Material ■λ(nm) ~1960 ~2120 ~2010 ~1030 ~2090 ~2400 1501209060300τ ms 3.4 10 1 8.5 0.006 10-23s・cm2 ~3.4 ~1 ~1.5 ~2.1 ~7.6 ~0.84 - 109 -200400600Is kW/cm2 W/m・k 7~16 10~11 10~11 ~10 ~27.2 ~1.5 ~5 ~3.4 ~5 ~0.65 ~5 Pump power (mW)8001000K n2 10-15cm2 ~1.1 0.57 0.57 0.57 6.3 Tm:Sc2O3 Tm:YAG Yb:YAG Ho:YAG Cr:ZnS BW (nm) ~60 ~50 ~30 ~10 ~30 ~800 10-20cm2 ~1 ~0.3 0.15 2.1 ~0.9 ~140 στ (a)CWML
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