削削除除ししなないいででくくだだささいい携帯型機器には多くの電子部品が搭載され,ガラス,サファイア,シリコンなどを母材とした薄板状脆性材料が使用されている.薄板状硬脆材料は,これまでダイシングやスクライビングによって分断されてきたが,マイクロクラックによる歩留まりの低下,加工液の併用による後処理工程の追加などが課題であった.一方,機械的な分断法の代替として,レーザを用いた熱的な分断法が注目されている.材料表面にあらかじめ導入したき裂を制御しながら分断する手法で,取り代が不要で完全ドライプロセスで分断できる.■■■■■■■■によって材料内部の熱応力場を利用したレーザ割断手法が紹介されて以来,ガラスやシリコンなど各種硬脆材料の割断特性が報告されている ■■■.本研究は,シリコンウエハ上にホウケイ酸ガラスが陽極接合された積層ウエハに対して,レーザによる高精度な熱応力割断技術を確立することを目的とする.熱源としてだ円状のスポット径を有する半導体レーザを適用し,■■波の測定と割断面に生じるき裂進展痕から積層ウエハの割断メカニズムを詳細に検討した.また,炭酸ガスレーザを同時照射することで割断品質の改善を試みたので,以下に報告する. ■■熱応力割断の原理薄板状硬脆材料の表面にレーザ照射すると,レーザ照射部は急激に温度が上昇し,それに伴って熱膨張する.このとき,レーザ照射部は周囲の低温部分から拘束されるため圧縮応力場が生じ,その周辺には圧縮応力場とつり合うように引張応力場が生じる■■.引張応力場内部では,応力がレーザ照射部を中心として円周方向に働くため,引張応力場にき裂の先端が存在すると,き裂はレーザ照射部の中心に向かって進展する.ここで,材料に任意の送り速度を与えてレーザ照射部を移動させると,き裂はレーザ照射位置に追従するように断続的に進展し,材料が分断できる. ■ レーザ実験で使用するレーザは,波長が■■■■■■μ■の半導体レーザと波長が■■■■■μ■の■■ レーザである.いずれも連続発振型であり,半導体レーザは焦点距離が■■■■■,■■ レーザは焦点距離が■ ■■■■の集光レンズを介して焦点を写写真真位位置置■1.緒言2.実験方法*金沢大学 理工研究域機械工学系 教授結ぶ.図■は,ビームプロファイラを用いて,半導体レーザのスポット位置でのプロファイルを測定した結果である.■■ レーザはシングルモードであるのに対して,半導体レーザのビーム形状は楕円であり,スポット位置でのビーム径は■■■×■■■■■■である. ■■積層ウエハ実験では,結晶方位がff■■■■であるシリコンとホウケイ酸ガラスを陽極接合した積層ウエハを用いた.積層ウエハを構成するシリコンおよびホウケイ酸ガラスの材料物性を表■に示す■■■■.吸収係数は,シリコンウエハは■■■■■■,ホウケイ酸ガラスは■■■■■■の試料を用いて,近赤外分光光度計と顕微FTIRイメージング装置で透過率を測定し,ランベルトベールの式から求めた値である7).ホウケイ酸ガラスは,シリコンと比較して熱伝導率が著しく小さく,レーザ照射で生じた熱が周囲へ伝わりにくい性質を有していることがわかる.また,積層ウエハを構成するホウケイ酸ガラスの厚さは■■■■■■であるため,照射された半導体レーザは,ホウケイ酸ガラス内部でほとんど吸収されることなく透過し,■■ レーザはホウケイ酸ガラス表面でほ■■材料■■■■厚さ■■■■■■■■密度■■■■■■■■■■■ヤング率■■■■■■■■■線膨張係数■■■■■■■■■熱伝導率■■■■·■■■■■■比熱■■■■■·■■■■吸収係数■■■■■■■■■■半導体レーザ■■■■■■ レーザ図■半導体レーザのビームプロファイル表■積層ウエハの物性ガラス■■■×■■■■シリコン■■■ ■■■■■■ ■ ■■■■■■ ■■×■■■■■■ ■■■■■■■■■■■■■■ ■■■■■■T. Furumoto0.5 mm[W/cm2]0.40.30.20.10- 94 -レーザを用いた積層ウエハの熱応力割断レーザを用いた積層ウエハの熱応力割断古本 達明*古本達明Review
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