FORM TECH REVIEWvol28
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(1)造形条件を適切に設定すれば,骨と同等の等価ヤン ■今回の低出力レーザ積層造形では,結言(3)のような特異的な材料特性を有するものを作製することができた.イ ■1) 京極秀樹:金属3Dプリンタの開発動向と今後の展開,近畿大学次世代基盤技術研究所報告,5 (2014), 139-143. 2) J.-P. Kruth, G. Levy, F. Klocke, T.H.C. Childs: Consolidation phenomena in laser and powder-bed based layered manufacturing, CIRP Annals, 56-2, (2007), 730-759. 3) N. Guo, M.C. Leu: Additive manufacturing: technology, applications and research needs, Frontiers of Mechanical Engineering, 8-3 (2013), 215–243. 4) J. Parthasarathy, B. Starly, S. Raman, A. Christensen: Mechanical evaluation of porous titanium (Ti6Al4V) structures with electron beam melting (EBM), Journal of the mechanical behavior of medical materials, 3 (2010), 249-259. 5) A. Cheng, A. Humayun, D.J. Cohen, B.D. Boyan, Z. Schwartz: Additively manufactured 3D porous Ti-6Al-4V constructs mimic trabecular bone structure and regulate osteoblast proliferation, differentiation and local factor production in a porosity and surface roughness dependent manner, Biofabrication, 6 (2014), 045007 (12pp). 6) 国立社会保障・人口問題研究所:日本の将来推計人口7) L.E. Murr, S.M. Gaytan, F. Medina, H. Lopez, E. Martinez, B.I. Machado, D.H. Hernandez, L. Martinez, M.I. Lopez, R.B. Wicker, J. Bracke: Next-generation implants using additive manufacturing of complex, cellular and functional mesh arrays: Philosophical Transactions of the Royal Society A Mathematical Physical and Engineering Sciences, 368 (2010), 1999-2032. 8) Editorial review article: Mechanics of additively manufactured biomaterials, Journal of the Mechanical Behavior of Biomedical Materials, 70 (2017), 1-6. 9) A. Simchi: Direct laser sintering of metal powders, Mechanism, kinetics and microstructural features, Materials Science and Engineering A, 428 (2006), 148-158. 10) 平成25年度「次世代医療機器評価指標検討会(厚生労働省)」三次元積層インプラント分野審査WG報告書,平成26年3月,審査WG座長 吉川 秀樹. 11) 袴田昌高,馬渕守:スペーサー法による微細孔ポーラス金属の創製と特性評価,軽金属,62-8 (2012), 313-321. (平成24年1月推計). biomedical 参考文献 5.まとめ■謝■辞■(j)の組織写真から分かるように,肥大化したクラスタが連続的に焼結されており,空隙も少なくなっている.したがSelective Laser Melting, SLMでは,レーザの高出力 (200W~400W) 化のために,ほぼ100%の密度のものも製作可能となっている.これは,高い強度を求める要望に(2)造形後に加圧により若干の変形を加えることにより,(3)エネルギー密度Hの造形条件では,圧縮試験荷重にかかわらず,等価ヤング率はほとんど変化することなしに推移した. (4)レーザ出力6.8~30Wの範囲では,焼結物の造形精化を見てもこのエネルギー密度②領域の造形物のひずみが小さく,塑性変形がすくないであろうことが分かる.このような状況となっているので,圧縮荷重が増加してもヤング率は上昇しなかったものと考えられる. エネルギー密度③の領域で作製された造形物は図10(i),って,焼結した段階でかなりの緻密体となっているため,高いヤング率を示したと考えられる.また,これらの肥大化したクラスタは,圧縮荷重を受けることで容易に接触を開始するので,ヤング率はますます母材の値に近づくことになる. 添っているので好ましいことである.しかし,緻密体のためにヤング率は溶製材と同じ値になってしまう.インプラントには,応力遮蔽を防止する理由から,骨と同等のヤング率が望まれる.低出力レーザを用いると微細な内部構造を持つ造形物が作製できるので,焼結時点で骨と同等のヤング率をもつ造形物とすることができる.本研究ではこのことを確かめるために,30W以下の低出力レーザを用いて,5 mm立方の造形物を作製し,圧縮試験により等価ヤング率を算出した.また,造形物の密度と断面をSEMで観察した.その結果以下の結論を得た. グ率を持つ造形物を作製することができる. 焼結物のヤング率を望む値に変更できる. 度は0.5mm以内である. ンプラント材に適用した場合,人工関節のステムなど髄内に圧入するような時でも,変形しやすくしかも骨と同程度のヤング率を示す材料として有効に使用できる可能性が考えられる. 本研究は,公益財団法人天田財団からの一般研究助成により実施した研究に基づいていることを付記するとともに,同財団に感謝いたします. - 93 -

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