■ ■■■■ ■■■生成されている可能性について考察する。実験では、銅表面に■■°の入射角度でP偏光のレーザーを集光照射している。表面に垂直な電場が印加されると金属の仕事関数が変形し自由電子がトンネリングにより真空へ放出される確率が高くなる。固体表面に垂直な電場が印加された時のトンネリング確率はKeldishにより次式■■■■で表されている。■■■ここで、はKeldishパラメータ、■はレーザー角周波数、■トンネル周波数、meは電子質量、Wは仕事関数、Eはレーザー電場振幅、eは素電荷を示す。m光子吸収している電子では、仕事関数はW■mhに置き換える必要があり、次式になる。■ここで、■=3.751014 s-1、■me=9.10910-31 kg、W=7.44910-19■J(銅)、e=1.60210-19 C、■Fth, L = 0.028 J/cm2に対応する電場はE=1.27109V/m、Fth, M■= 0.195 J/cm2に対応する電場はE=3.36109V/m、Fth, H■= 0.470 J/cm2に対応する電場はE=5.21109V/mである。■閾値フルエンスにおいて、Keldishパラエータはそれぞれ、■光子吸収過程のFth, L■において■3=0.013、 光子吸収過程のFth, M■において■2=0.47、■光子吸収過程のFth, M■において■1=0.43である。全ての吸収過程(m=1, 2, 3)において、トンネリングによって電子が放出し固体表面にイオンが生成される可能性が極めて高いことを示している(図5)。固体表面から放出される電子数と表面に生成されイオン数は、初期において同じ数だけ存在すると考えられる。放出される電子密度を評価するためFlower-Nordheim(F-N)モデルにより計算した。固体表面に垂直に電場が印加された時に放出される電子密度は次式■■■■で表される。■ここで、A=1.510-6、B=6.83109、は電界増強係数、は仕事関数、E は表面に印加された垂直電場を示す。実験では、レーザー照射により109〜1010 V/mの垂直電場が表面に対して印加される。この電場の範囲においてff■■式の指数関数項は1になるため電子密度はレーザーフルエンスに比例することになる:J F = E 2。これらより、多光子吸収■J F m■と表面ポテンシャル障壁低下によるトンネルイオン化■J F によりイオンが生成されていると考えれば、その生成量はF ■■■に比例すると推察される。実験結果は、この推察により上手く説明することができる。表面に生成されたイオンは互いのクーロン斥力により爆発し、高い運動エネルギーをもって放出されているものと考えられる。イオンのエネルギーを測定すればクーロン爆発の機構を議論することができる。次の実験では、エネルギース■■ff ■■■ff■■■■ff■■■図5■多光子吸収と表面ポテンシャル障壁低下によペクトルの測定を行った。図6は■P偏光照射に測定された典型的なエネルギースペクトルを示す。エネルギースペクトルはダブルピークを示す。速い成分は水素イオンであり、遅い成分は銅イオンを表している。136 mJ/cm2■のとき、銅イオンのピークの位置から計算されるエネルギーは■30eV であった。このような低いフルエンスにおいて、30eV もの高エネルギーイオンの放出が確認されたのは初めてである。また■14.4J/cm2のときは■790eV■であった。レーザーフルエンスが上がるにつれて、ピークに対応するエネルギー(以下ピークエネルギーと記す)が増大することを確認した。実験では質量スペクトルから、水素イオンを除く全体の放出イオン量に対する銅イオンの量は60mJ/cm2■において■80 %であった。ピークエネルギーのレーザーフルエンス依存性を図7にまとめた。実験結果はレーザーによる電場による電場の方がポテンシャルを歪め、イオン放出に重要な要因であると考えられる。■■るトンネルイオン化■図6■銅イオンのエネルギー分布■- 77 -
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