FORM TECH REVIEWvol28
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3.実験結果と考察図 ■■■法による放出イオンのエネルギー測定洗浄した。その後、アセトンを■■ クリーナーで除去し、さらに、照射チャンバーに設置後スポットサイズ■■■■×300µm 、フルエンス ■■■■■■■ 、■■■■■のフェムト秒レーザー(中心波長■■■■■・パルス幅■■■■■)を■■分間照射することにより、表面付着物を除去した。ターゲット金属の表面処理を行わなかった場合、炭化水素と考えられる成分が多く現れるため表面処理をすることで再現性のよい実験を可能にした。レーザーフルエンスを■■■■■■■■ から ■■■■■ まで変化させ、放出するイオン種とイオン量を測定した。P偏光照射の場合は ■■■■■■ 、S偏光照射の場合は■■■■■■■■■■ から銅イオンの放出を確認した。レーザーフルエンスを増大させていくと、P偏光照射の場合■■■■■■■■ 以上、S偏光照射の場合■■■■■■■■ 以上において、1価のみならず多価の銅イオンが放出され、 ■■■■■■ においては最大で7価の銅イオン放出を確認した。さらにP偏光照射、S偏光照射ともに■■■■■■■ において水素を除く放出イオンについて銅イオンの占める割合が8割以上となることを確認した。図■には、銅イオンのみに着目し、■編光照射における放出イオン量のレーザーフルエンス依存性をまとめた。イオンの放出量はレーザーフルエンスの増大に伴って増加し、測定したフルエンス(およそ20mJ/cm2から2J/cm2)において放出イオン量は8桁変化した。そして銅イオンが放出し始める、いわゆるイオン放出閾値はFth,L= 0.028J/cm2であった。0.195 J/cm2及び0.470 J/cm2のフルエンスにおいてイオン放出量が急激な増加(約1桁)を示すと同時図3放出イオン量のレーザーフルエンス依存性■にフルエンス依存性が異なっている。従ってFth,M = 0.195 J/cm2とFth,H = 0.47J/cm2を異なる機構によるイオン放出閾値とした。放出イオン量Niは、Fth,L近傍においてNiF■■■■■■■■近傍においてNiF■■Fth,H近傍においてNiF ■の直線に一致することが見出された。ここで、Fはレーザーフルエンスを示す。実験結果より、3つのフルエンス領域において、銅イオンは非線形吸収過程により生成しているものと推察される。本実験で得られた3つのイオン放出閾値は、既に報告されているクレーター分析による閾値■■■と非常に良い一致を示している(図■)。図に示した中性原子放出のアブレーション閾値は3つ存在し、レーザーパルス幅に依存していた。アブレーション閾値は、非線形吸収過程がある場合、パルス幅に依存し次式により表される。ここで、mはm光子吸収係数、Ethは融解熱、pはレーザーパルス幅を示す。Fth,LとFth,Mはそれぞれ■光子と 光子吸過程の結果に一致している。このことから、銅原子放出はm光子吸収過程が支配的に起こっていることが明らかになった。一方、銅イオン放出は図3に示したようにFm+1に依存している。銅のイオン化ポテンシャルは6.66eV■■■、仕事関数は4.65eVである。従って、波長800nm のレーザー(■■■■■■■■)では、銅原子をイオン化するには少なくとも■光子吸収過程が、銅表面から光電効果により電子放出させるには■光子吸収過程が必要である。この単純な考察によりFm+1の依存性を示した実験結果を説明することは難しい。次に、固体表面に生成するイオンが多光子吸収と表面ポテンシャル障壁低下によるトンネルイオン化により図4アブレーション閾値のレーザーパルス依存性。本実験により得られたイオン放出閾値を記号(●、■、▲)に示し、既に報告されているクレーター分析による中性原子放出のアブレーション閾値を記号(○、□、△)に示した。ff■■- 76 -

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