FORM TECH REVIEWvol28
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/⊥比性方異擦摩 5.今後の発展の方向性 ■上記の結果より,曲率半径が小さく比較的軽荷重の場合■ ■図■■には転写を行った結果を示す.■■樹脂に埋没した ■図■■は自己整列結果の例を示し,直径■■■■■のノズルからシリコン基板上に吐出した結果として幅約■■■■のライン状構造が得られている.構造は単層であり,若干の欠// 0235 ■ R接触曲率半径 4 [mm]図11■接触曲率半径と摩擦異方性 図12■ディスペンサを用いたパターン化自己整列 小さく接触面積の変化があまりないことで異方性が得られにくい結果になったと考えられる.結果的に,今回の条件で調整可能な摩擦異方性の範囲は■■ 程度に留まることがわかった.■ に摩擦係数の方向性が増すことがわかった.曲率半径をさらに小さくするためには,鋼球よりもむしろシリカ等の微粒子が入手しやすい.自由なパターンに沿って微粒子を整列・固定化する方法があれば,摩擦の任意なパターニングが可能になる.以下ではこれまでの研究成果を参照しつつ,摩擦パターニングの今後の発展性を議論する.■■直径■■■のシリカ微粒子を水に分散させ,この懸濁液を平面上に吐出・乾燥させることで,微粒子の自己整列構造を得ることができる.図■ にはその概念図を示し,ディスペンサから懸濁液を一定速度で吐出しながら基板との間の相対運動を与える.基板上に濡れ広がった懸濁液は,水の乾燥に伴って収縮し,最後には微粒子間に作用する液架橋力によってお互いを引き付けあうため最密構造を形成する.条件を整えると単層の六方最密構造を得ることができる.■ 懸濁液の濡れ広がりと収縮整列微粒子整列幅陥部はあるものの最密構造に近いものが得られたことが懸濁液の供給走査わかる.電動ステージの精度を考えると微粒子直線パターンの真直度はもっと高精度になるべきであるが,懸濁液の濡れ広がりが必ずしも一様でなかった可能性がある.精度向上の余地は残っている.■■ここでは脆性材料であるシリコン基板上に微粒子構造を設けたため摩擦を受けるような場面にそのまま適用できないが,金型表面等への適用が今後考えられる.■ 図■■■ディスペンサを用いたパターン化自己整列■■図■■は微粒子の固定法を提案したものである.基板■に微粒子を整列させる一方で,基板 に■■樹脂をコーティングしておく.この時,■■樹脂は紫外線に暴露しない状態で溶剤を蒸発させて粘度を高めた状態にしておく.これらの基板を接触させて圧力を加え,未硬化の樹脂の中に微粒子構造を埋没させる.この状態で紫外線を当てて樹脂を硬化した後に離型を行うと,微粒子構造が樹脂層に反転転写された形で固定化される.この時,微粒子の高さは基板■の平面度が転写される形になり,例えば鏡面仕上げした基板を用いれば良好な平面度を得ることができると期待できる.■ 微粒子は場所によって単層の場合と多層の場合が含まれているが,樹脂の上面をみると広い面積にわたって一様な高さと構造の表面が見えていることがわかる.このような手法により,例えば金型表面に微粒子を配置するとともに,脱落しないようにすることができると考えられる.■図■■■微粒子の転写・固定法■k =/’’k=1.71.71.61.51.41.31.21.11.0k=1.5k=1.3k=1.01W=1W=5W=10W=15- 58 -

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