FORM TECH REVIEWvol28
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00.0力応断んせ擦摩均平合割の部坦平b合割の部坦平の部坦平 ta /tf力応断んせ擦摩 /bfm= 0.15aPMpa/ Y= 0.75pa/ Y= 0.4m= 0.15aPM0■■■加工硬化性のない材料の摩擦法則バルク材の塑性変形が表面層の変形に少なからずの影響を与えることは古くから知られており6), 7),摩擦挙動にも何らかの影響を及ぼし,塑性加工における摩擦現象の特異性を引き起こすと考えられている.図■のようにバルク材が弾性状態であれば,平坦部の割合は平均面圧に比例するが,バルク全体が塑性状態になると平坦部の割合は急増している.1.00.80.60.40.200.00.2図■FEM解析による平坦部の割合と平均面圧の関係3)仮に平坦部の摩擦せん断応力がバルク材の塑性変形の有無に関わらず一定とすれば,バルク材の塑性変形によって平均摩擦応力の急増が容易に想像され,塑性加工における摩擦法則はバルク材の変形状態の影響を受けると想定されるが,実際の実験結果は図■の通りである■■.本試験片の変形抵抗Yは153 MPa一定である.側方引張形摩擦試験後の表面を光学顕微鏡で観察すると試料表面の突起がきれいに平坦化されている.この平坦部の割合は有限要素法の解析結果と同じく,バルク材の塑性変形に伴い,急増している.しかし,平均摩擦せん断応力はバルク材の塑性変形の有無によらず平均面圧に比例する.すなわち,クーロンの法則は成立する.それでは,平坦部の摩擦せん断応力は接触圧力に対してどのような変化を示すのか.その様子を図■に示す.バルク材の塑性変形の進行に伴い,平坦部において接触圧力と摩擦せん断応力の両方が低下するものの,クーロンの法則が成立する.電子線表面粗さ計で平坦部を観察してみると,図■に示すように,バルク材が弾性状態にある場合,平坦部全体がほぼ完全に平滑化されているが,バルク材が塑性変形していると,平坦部には深さ0.1-0.2μmの谷部が存在し,いわゆる真実接触面積は平坦部の面積よりかなり小さいようである■■.この平坦部のしゅん動は,結晶粒の沈降によって引き起こされるものであろう.この現象は接触界面のダイナミックの一面を示唆するもので,均質材を前提とする一般的な有限要素解析では捉えることはできない.図■は平均摩擦せん断応力と平均面圧の関係を整理したものである3).低面圧領域では摩擦せん断応力は面圧に比例して増加しているが,高面圧領域では摩擦せん断応力図■側方引張形摩擦試験における平均摩擦せん断応力および平坦部の割合と平均面圧との関係■■1.0図■平坦部の摩擦せん断応力と接触圧力の関係3)図■電子線表面粗さ計によって観察した平坦部の様子■■図■純アルミニウム(A1050-H24)のドライ摩擦実験における平均面圧と摩擦せん断応力の関係3)バルクの塑性変形あり平坦部摺動方向バルクの塑性変形なし工具:DLC被加工材:A1050-H24100 μmY= 153 MPak= Y/ = 88 MPaσx= 61 MPa(0.4 Y)m= 0.200.40.6平均面圧pa/ Y0.8工具:DLC被加工材:A1050-H24バルクの塑性変形なしバルクの塑性変形あり平均面圧pa/ MPa平坦部の接触圧力pf/ MPa- 41 -

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