ロードセル1,2(2個)タイロッドロードセル1,2ロードセル3油圧ジャッキ金型図 試験前の高速摩擦試験治具前述した設計指針の各項目に対して,開発した治具への対応について以下に示す.①指定した摺動速度で摩擦試験が行える.サーボプレスは,スライドの速度および位置をプログラムで任意に設定・制御が可能なのが特徴である.しかしながら,モータによってスライドを制御しているので,速度が速くなると,設定速度に達するまでに時間を要する.したがって,スライドが設定速度に達するまでの間に,試験片には荷重が作用しないようにする必要がある.そこで,図■示されているように,試験片下端のチャックは,試験開始直後は,治具の他の部品と接しておらず,スライドが,■■■■上昇した時点で,治具のフレームに接触して上昇が停止し,試験片に荷重を作用させる機構とした.この機構は,既開発の同様にサーボプレスを使用した高速引張試験の開発時に考案した機構 )を参考に設計を行った.本実験で採用したサーボプレスの場合,スライドの上昇速度■■■■■■■に充分な,加速距離として■■■■の試験片の空走距離を設定した.②素材と金型との接触圧力を自由に設定可能とする.摩擦試験の場合,素材の金型との摺動速度の制御と共に,金型を素材に押さえ付ける圧力の制御も大切である.そこで任意の圧力を発生させるために,油圧ジャッキを使用した.実験では,ジャッキに作動油を送り込む油圧式の手動ポンプff■■■■■■■:大阪ジャッキ製■とフラットジャッキff■■■■■■■■:大阪ジャッキ製■を使用して片側の金型から圧縮荷重をかけることとした.③素材に均等に金型から圧力が作用する.金型等のセッティング状況を,図■に示す.油圧ジャッキは,金型の中央を押すように配置した.その作用圧力の測定には,油圧ジャッキが荷重を作用させている金型の反対側の金型と治具のフレームとの間に, 個のロードセルを配置した.ジャッキによる荷重点とロードセルによる金型の支持点は, 等辺三角形をなすように配置し,素材に金型から均等な圧力が作用するようにした.■■試験前(試験片装着時)図■試験開始前の金型等セッティング状況④金型の設置位置を容易に決められる.金型の中央に素材を配置し,かつ素材と金型の表面が平行になるように,荷重を付加する前の金型を配置するために,金型の両側に金型の側面と平行にガイドを配置した.また,金型がガイドと接すると計測荷重に影響するので,両者間に■■■程度の一定の隙間を設けられるように,隙間と同じ板厚の治具を用いて,金型の容易な位置設定を可能とした.⑤試験片のセッティングを容易にする.試験片は,図■に示されているように,治具の中央に配置されている.治具への試験片のセッティングを容易にするために,チャックに固定した試験片を治具内に装着できるように,治具のフレームの一部にスリットを加工して,試験片がスリットを通って治具中央に設置可能とした.⑥構造を簡素化して,製作費用を削減する.治具の部品形状をできるだけ簡単にして,加工費を削減するために,鋼のプレートをボルトで締結する構造とした.図■試験前後の摩擦試験治具試験片金型チャック試験片油圧ジャッキ金型■■試験終了時- 35 -
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