FORM TECH REVIEWvol28
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■■■■■■面に肉眼で観察できる被加工材の凝着は見られなかったので,算術平均粗さが大きいと,試験面における油膜も厚く形成されていることになる.■図■にテーパダイ■■を使用した場合の低粘度■■■と高粘度■■■■の加工条件における製品部の表面拡大写真を示す.低粘度■■■の条件では,加工中の平面工具と被加工材間の形成される油膜が薄くなるため,塑性変形で生じる表面あれが工具表面に拘束,転写され平坦化している.また高粘度■■■■の条件では,油膜が■■■■の場合より厚く形成されるため,工具表面の拘束が弱く,表面に凹凸が多く観察された.■以上のように,本実験では,ビレット加工面の平面工具側の表面粗さが油膜厚さと関連することから,工具面の摩擦拘束の影響(潤滑状態)を表面性状パラメータの算術平均粗さ■a■で整理する.■■■ ■製品曲がり量に及ぼす押出し比の影響■図■に押出し比の異なる押出し後のビレット形状例を示す.押出し比が小さいほど,曲がり量は大きくなっているのがわかる.この製品曲がり量を図■■■に示した方法で,■曲率を算出した.■塑性加工における被加工材の表面は,工具表面,潤滑剤等との相互作用の結果として創成される■■ ■.従って,表面創成と平面工具面の摩擦拘束状態は密接に関連すると考えられる.曲がり量が摩擦面の潤滑状態の影響でどのように変化するかを調べるために,図■■■に示すように,被加工材の金型出口部付近の算術平均粗さ■■a■で,製品曲がり量を整理した.本実験では,押出し比が同じであれば,■摩擦拘束の違いは平面工具上の潤滑状態の違いに起因するので,得られた曲がり量を金型出口付近の製品表面粗さで整理した.それぞれの押出し比に対して,平面工具に塗布する潤滑油の粘度と塗布量を変えて潤滑状態(製品表面粗さ)を変化させた.■製品曲がり量は,押出し比の小さい条件で,曲がり量が大きくなっている.また,曲がり量は異なるが,曲がり量の変化幅は押出し比にかかわらずほぼ同一であった.また,どの押出し条件においても,押出し比にかかわらず,曲がり量の増減の変化が同じ表面粗さに対応する傾向を示している.すなわち,どの条件においても,■■■■µ■■a■より小さくなると製品曲がり量は小さくなっていき,■■■■µ■■a~■■.■■■µ■■a■で,■曲がり量の大きくなるピークがあり,■■ µ■■a■付近で極小値を示す.また,■■■~■■■µ■■a■より大きくなるとほとんど変化しないということが図からわかる.■■■■■製品曲がり量に及ぼすテーパダイ・テーパ部長さの影響■押出し比を に設定し,平面工具と相対するダイ形状をテーパダイとし,テーパ部長さを■種類変えて,同様の実験を行った.図■■■に押出し後のビレット形状例を示す.■図■ ■に製品曲がり量を製品表面粗さに対して示した.この場合も,テーパ部長さの違いで,曲がり量は異なるが,■図■■押出し後のビレット形状(押出し比による比較)■図■■■製品曲がり量と製品表面粗さの関係■■■■■■■(テーパ部長さ■■■による比較)■テーパ部長さが長くなるほど曲がり量は小さくなった.また,曲がり量の変化幅もテーパ部長さが長くなるほど小さくなった.テーパ部長さが異なるにも関わらず,また,曲がり量の変化幅も異なるにもかかわらず,表面粗さに対す■(押出し比による比較)■図■■■押出し後のビレット形状■- 31 -

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