削削除除ししなないいででくくだだささいい塑性加工において,工具と被加工材間に生じる摩擦をトライボロジー技術により低減させることは,生産性の向上に貢献するばかりかエネルギーや材料の消費を削減し,環境保全,地球温暖化防止へ寄与する.塑性加工における摩擦低減は,工具や被加工材表面への表面テクスチャの活用■■~■■,潤滑方法の工夫,潤滑剤の開発,工具表面処理の検討,等により取り組みが行われている.これらの技術活用には,使用する潤滑剤のトライボロジー特性を考慮する必要があり,どのような潤滑剤を適材適所に使用するか,すなわち「潤滑剤の選択」は重要な鍵となるが,その選択のためのデータベースは十分であるとはいえない.素材を金型内に充填して所定のダイス孔から押出して製品を加工する押出し加工では,押出される製品の曲がりをコントロールするために,ダイス形状,押出し条件,ダイス内メタルフローの制御,ダイス出口に設けるダイベアリング部の設定等についての検討が必要である.また,押出し製品の曲がりは型形状や工具摩擦と関連し■■,押出し製品の曲がりを積極的に利用する加工法も提案■■されている.ダイスやダイベアリング部と被加工材間のトライボ条件(摩擦・潤滑条件)の把握は,高い精度の製品加工を行うためのトライボロジカル制御(摩擦や潤滑状態の制御)を行う上で重要である.著者らは,これまでに,工具接触面潤滑条件(潤滑油粘度や塗布量)の違いが,潤滑面近傍の塑性流動の違いとして明確に現れる平面工具を用いた金型からなる,平面押出し加工装置を試作し,アルミニウムを加工材として,一連の潤滑特性評価に関する検討■■■■■や摩擦力測定■■を行ってきた.本研究では,押出し製品の曲がりに及ぼす摩擦面の影響を実験的に調べることにより,押出し加工における押出し製品曲がりのトライボロジカル制御に関する基礎データを得ることを目的とする.本論文では,冷間押出し加工における製品曲がりに及ぼす工具摩擦面の摩擦拘束状態の影響を■平面工具を用いた押出し加工実験装置により実験的に検討する.製品曲がり量と製品表面性状の測定・観察を行うとともに,格子線解析法により被加工材の金型内部での変形機構ff塑性流れ速度■を実験結果(被加工材の変形状態)から算出して摩擦写写真真位位置置■1.まえがき*鹿児島大学 学術研究院理工学域工学系 教授2.実験方法拘束が塑性変形に及ぼす影響についても検討を行った. ■■実験装置の概要図1の平面ひずみ押出し加工タイプの試験装置は,ダイとコンテナは一体で,平面工具 ■本(試験面側,それぞれ厚さ■■■■)とダイ1本(平面ダイ,テーパダイ,厚さ ■■■)から構成され,共に分割構造になっており,金型開口部は図2に示す平面ダイを使用した場合,押出し比 ,■■及び■■に設定した.また,図3に示すテーパダイを使用し,テーパ部長さを変える実験では,押出し比を ■とした.本試験装置は,平面工具試験面全体が潤滑試験面となり,すべり摩擦の影響によるせん断力の変化を材料流動状態に実現できる.試験面(平面工具)は変形が試験面における摩擦に伴うせん断変形に限定される利点をもつ.試験面工具材質は■■■■■で,焼入れ,焼戻しを施し,平面工具試験面のビッカース硬さは,約■■■■■である.平面工具の表面粗さは,算術平均粗さで■■■■■µ■■aに仕上げている.被加工材試験片(ビレット)には工業用純アルミニウム■■■■■(■■■)の焼なまし材を使用した.試験片の実験前のビッカース硬さは約 ■■■である.試験面表面粗さ図1平面ひずみ押出し加工実験装置S. Kamitani- 28 -冷間アルミニウム押出し製品曲がり量と冷間アルミニウム押出し製品曲がり量とトライボロジカル制御トライボロジカル制御上谷 俊平*上谷俊平Report
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