図4■摺動時の温度と荷重の測定結果(V=10mm/s, P=1kN) 3.加工条件の影響ff平板引き抜き試験■5) Co/ erutarepmeTNk/ daoLCo/ erutarepmeT0242表2■実験条件 3,10,20mm/s 図3■昇温特性(t=1.6mm, w=15mm) 80100230100150200BA00 BA801002302452432442461000 A B80060040020050Time /s1000800600400200250Temperature A BTime /s2.01.61.20.80.40.0247248Tensile loadCompression loadきるが,通電ロール出側での温度低下が大きいため今回は(a)の配置を用いた. 試験片の温度は試験片側面に1mmの穴をあけK熱電対を挿入して測定する.試験片は通電ロールに通し,端部を引抜き用チャックに取り付ける.通電を開始し,試験片を920℃まで加熱し,加熱開始から4分間経過するまで温度を保持する.その後,電流を止め,一定速度で引抜きを行うと同時に垂直負荷を与えることで摩擦係数の測定を行う.摩擦係数µは引張荷重TFと圧縮荷重Pから式(1)を用いて算出する. ■■■試験材料の昇温特性■■試験材料に22MnB5(0.22%C, 1.2%Mn, 0.002%B)鋼板を用いた.Al-Siめっき(付着量80g/m2) が施してある.本稿ではすべてにおいてこの鋼材を用いるが一部,非めっき材も用いた.試験片サイズは幅15mm,厚さ1.6mm,長さ450mmとした.電極間距離を230mmとした. 入側の加熱ロールの直下を基準として100mmの位置をA点(圧縮工具の入側)としそこから20mm手前の位置をB点とし,試験片側面にK熱電対を挿入した.図3に昇温特性を示す.電極間の中心に近いA点の温度がB点と比べてやや高い結果となったが摩擦係数を測定する範囲での均熱性は高い. ■■■標準的な摩擦係数の測定例 測定例として,引抜き速度10mm/sで,圧縮荷重を1.0kN(面圧3.3MPa)として引抜きを行った.エメリー紙を用いて,引抜き方向に垂直に研磨し,工具粗さは0.2µm Ra に調整した. 図4に温度と荷重の測定例を示す. 総加熱時間240sで給電を停止し試験片を移動させる.2秒後に加圧を開始する.図より移動時は23℃/sで冷却され,A点は890℃で工具へ導入され,工具に接触することで500℃まで温度が低下する.B点では入側で840℃,出側での温度500℃となった.工具温度が上昇するので引抜き後の温度はB点の方がわずかに高くなっている.圧縮荷重はやµ=TF/2P (1) や変動がみられるものの均一に負荷されていることがわかる. ■■■■試験条件■試験片は, 2.3節と同一の材料を用いた.電流を流し,試験片を約2分で900℃まで加熱し,加熱開始から4分間経過するまで温度を保持した.4分間経過後,電流を止め6秒間空冷を行う. その後,垂直負荷を与えると同時に試験片を一定速で引抜きを行う.摺動開始時の試験片温度は800℃程度となる.表2表に熱間潤滑評価試験の実験条件を示す.そこで,圧縮荷重は引抜き距離2~26mmの平均が0.5kN~0.8kN,0.8kN~1.2kN,1.2kN以上の3種類になるように行った.2.0kN以上の荷重では引抜き時に試験が破断してしまった.荷重変動がみられたが,代表荷重値として0.7, 1.0, 1.5kNとして表記する. 平均面圧はそれぞれ,2.3, 3,3, 5.0 MPaとなる.工具平行部長さは20mmとし,工具表面粗さは0.10µmSaとした. き速度が遅いため,試験片温度が低下したことが原因とも考えられる.この結果からある一定以上の速度になると摩 Compression load Electric current Sliding distance Sliding velocity Distance between electrodes ■■ ■結果と考察■(a) 引抜き速度の影響 図5に圧縮荷重1kNにおける引抜き速度別の摩擦係数の一例を示す.この結果から,引抜き距離が2mm以降で摩擦係数が安定していく傾向にあることが分かる.また通電加熱がアルミめっきの合金化に及ぼす影響も調査する必要がある.図6に引抜き距離2~26mmの摩擦係数の平均値µmの速度による変化を示す.この結果より引抜き速度が遅いと摩擦係数が低くなることが分かる.これは引抜0.5~2.8kN 230~300A 30mm 230mm - 22 -
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